センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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26話 全方位から命を狙われるノコ。


 26話 全方位から命を狙われるノコ。

 レンド団は、なかなかの強さを誇る野盗集団。
 さすがに、『下っ端連中』は『一般的なナイト以下のザコ』ばかりだが、
 『幹部に位置する数名』は『貴族級の力』を持っていることで有名な、
 ゴリゴリの武闘派組織。

 エキドナが、ボソっと、

「この辺は、レンド団の縄張りから外れているわよね?」

 そこで、ノコが、鼻で笑いながら、

「バルディが動かしたんでしょうね。『使えるコマはすべて使う』という気概を見せつけてきた感じかしら。どうやら、なにがなんでも、あたしを殺したいみたい」

 ヒキーレが、

「ノコ様、どうしますか?」

 そう尋ねると、ノコはニコっと笑って、

「あたしが出るわ。少し、話をしてくる」

「い、いや、ノコ様、それは――」

 止めようとするヒキーレに、
 ノコは、まっすぐな目を向けて、

「センから何を言われているか知らないけれど、あたしをお姫様のように扱う必要はないわ」

 そう言うと、ノコは、そのまま、部屋を出ていってしまう。

「ちょ、ちょっとまってください!」

 センから、彼女の護衛を任されている二人の隊長は、
 当然、ノコのあとを追いかける。
 その途中で、ヒキーレが、エキドナに、

「エキドナ、フォーメーションを確認したい。私としては、盗賊連中の殲滅を、お互いの部下に任せて、私たちは、『ノコ様の護衛につく』という形でいきたいんだけど……」

「私もそれでいいわ。ちょうど、あなたのところの部隊も含めて、全員、不可視化状態で待機させているから、そのまま、野盗どもの背後をとらせましょう。それでいい?」

「私としては、なんの問題ない」

 と、そこで、エキドナが、ちょっとだけ渋い顔をして、

「んー、なんというか……こういう、お互いが、気を使っていく感じの、『命令系統がハッキリしていない形』って、なんだか気持ち悪いわね……スムーズじゃないし」

「じゃあ、エキドナが『私の上』に立ってくれ。私は、性格的に、補佐官というポジションの方があっている」

「……普通、男って、『自分が上に立ちたい』と思うものなんじゃないの?」

「ほかの男がどう思うか知らないけど、私は、サブポジションにいた方が落ち着く。と言うわけで、今後は、君がノコ様護衛軍のリーダーで、私はサブリーダーという形でよろしく」

「……まあ、別にいいけれど。あんた、かわっているわね」

 ――外に出ると、
 家の周囲を、野盗連中が、ぐるりと取り囲んでいた。

 ノコたちが姿を見せたタイミングで、
 野盗組織レンド団のリーダーである『レンド』が、
 一歩、前に出て、

「よう、ノコ・ドローグ。ひさしぶりだなぁ。前に、病気を治してもらったことがあるんだが、俺の事、覚えてるかい?」

「ええ。さすがに、治した人全員のことを憶えているわけではないけれど、特徴的な人は忘れていないわ。あたし、バカじゃないから」

「そうかい、そうかい。じゃあ、必要ないかもしれないが、一応、自己紹介させてくれ。俺は、レンド団のリーダーをやらせてもらっているレンドだ。実は、ついさっき、バルディから、あんたを殺してこいという命令を受けてな」

「おだやかじゃないわね」


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