センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

18話 強すぎるセンエース。


 18話 強すぎるセンエース。

 そこで、センは、ヒキーレ以外の団員に視線を向けて、

「リブレイを捨てて、ノコを選んだやつには、もれなくエグゾギアをくれてやる。それだけではなく、正当な報酬と地位、そして、まっとうに生きる権利もやる」

 そう言ったところで、ヒキーレが、

「ちょ、ちょっと待っていただきたい。『もれなく、くれてやる』って……あなたは、この指輪を、いくつ持っているんですか?」

「1000個以上」

「……」

 センの言葉を飲み込むのに時間が必要だった。
 ヒキーレは混乱している。

(1000個以上? こ、これだけの、『神器級』とも言えるマジックアイテムを……1000……どういうことだ? 彼は、いったい、何者なんだ? 意味がわからない……)

 センという男は、あまりにも常識から逸脱しすぎている。

(それだけの力を持っていながら、どうして、ナイトなどという低位の地位におさまっている? そこまで莫大な力を持っているのであれば、とっくの昔に、上位貴族におさまっているはず……いや、これは、もはや、そんな『程度の低い話』ではない……これだけの力があれば……すべての国の王族を支配下において、皇帝になることだってたやすいはず……)

 『皇帝』と言うのは、
 極限までシンプルに言えば、
 『一番ケンカが強いヤツ』のこと。

 武力・権力・財力、すべてにおいて最高の力を持つ者が皇帝と呼ばれる。
 センは、その条件を満たしている。

(何者なんだ、ほんとうに……いったい、どういう存在なんだ……)

 センエースという男が、あまりに理解できず、
 疑問符の海に溺れていると、
 そこでが、センが、


「ヒキーレ、賭けに勝ったな。お前は、みごと正解を選んだ」


 たんたんと、そんなことを言った。
 ヒキーレは思う。

(……確かにそうだ……この男の武力の下にいれば、たとえ『東大陸の大帝国』にせめられたとしても、どうとでもなる……)

 小さな西大陸を支配しているだけのリブレイとは違い、
 広大な東大陸の支配者である大帝国は、規模の違う武力を持つ。

 逆らえば、西大陸で最大の力を持つリブレイ王国といえど、簡単に滅ぼされてしまう。
 それだけの力を持つ『大帝国』が、総力を挙げたとしても、センを殺せるとは思えない、
 ……と、ヒキーレは思った。

 そのぐらい、
 センの持つ『力』は、ズバ抜けている。

「さて、それじゃあ、次は、こいつと話す番だな」

 そう言ってから、センは、
 ガルムの方に視線を向けて、
 『気絶から回復する魔法』を使った。

「ん……んん……」

 覚醒したガルムに、センは、

「……『失神しても話だけは聞こえるようにしておいた』から、状況は理解しているだろう?」

「……ぁ、ああ……」

「で、どうする?」

「……わかった。お前の下についてやる。そのエグゾギアとかいう指輪をよこせ」

 不遜な態度でそういうガルム。
 そんな彼に、センは、

「……ほらよ」

 エグゾギアの指輪をわたす。
 ガルムは、すぐさま指輪をつけて、

「エグゾギア、起動」

 そう言って、エグゾギアを身に纏うと、

「ふははははあぁ!! すさまじいパワーだ! 私ほどの魔力を持つ者が、これだけの力をえれば、もはや無敵! リブレイの王族連中も、今の私には手も足も出ないだろう!!」

 歓喜のおたけびを上げるガルム。

 エグゾギアは、誰が使っても、ある程度の出力を出せるが、
 使用者の魔力が高ければ高いほど、より性能を引き出すことができる。

 高い魔力でエグゾギアを操るガルムは、

「最強の力を持つ者は、『一人だけ』だからこそ価値がある! この力で、私は皇帝となり、すべてを手に入れるぅう! 貴様は邪魔だぁあああ!」

 そう叫びながら、
 魔力を大量にこめた拳で、センに殴りかかった。


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