センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

9話 破格のセンエース。


 9話 破格のセンエース。

 暗殺部隊クダラの隊長『エキドナ』は、
 自分たちの目の前に立ちふさがった騎士に対し、

「……ノコ様のナイトか。私たちの目標はノコ様だけ。死にたくないならどけ」

 そう言い捨てた。

 エキドナは妖(あや)しげな雰囲気の美女。
 『闇のバラ』と呼ばれている冷徹な暗殺者。

 普通なら、彼女にニラみをきかされた場合、震えあがって縮こまることしかできない。

 ――そんな彼女に、センは、堂々とした態度で言う。

「ノコ・ドローグを殺したからったら、まずは俺を殺せ」

「……その忠義は見事だが、ただのナイトに、私たちを止める術はない」

 そう言い捨ててから、
 エキドナは、センに向かって。同時に8本の毒ナイフを投げつけた。
 一発でもカスれば即死するという凶悪な毒ナイフ。

 そんな投擲を、
 センは、

「相変わらず、いい腕だ。毒ナイフを投げさせたら、お前の右に出る者はいないな」

 すべて、両手の指の間に挟んで受け止めた。
 受け止めると同時に、魔法で毒を消していく。

 その様子を見たエキドナは、
 目を丸くして、


「……な、なんだ……どういうことだ……ナイトの中に、『私のナイフを受け止めることができる者がいる』など聞いていないぞ……」


「その認識は正しい」

 10000年前のセンでは、もちろん、こんなこと、出来なかった。
 世界最高峰の暗殺部隊クダラの隊長エキドナ。
 彼女の暗殺術は、まぎれもなく世界一。

 エキドナは、本物の一流。
 だから、動揺を引きずることなく、


「想定外の強敵! ミッションに支障をきたす不穏分子! 全力で排除する! 何名かの死を前提として動け!」


 10名の配下に命令してから、影に溶けていくエキドナ。
 『影に忍び込む魔法』は見慣れているので、
 センは、わずかも焦ることなく、

「どいつもこいつも、本当にいい動きだ。惚れ惚れする」

 そう言いつつ、
 『四方八方から襲い掛かってくる暗殺者たちの攻撃』を、
 あざやかに回避して、

「呪縛(じゅばく)ランク20」

 相手の動きを止める魔法を使って、一人一人、丁寧に捕縛していく。
 エキドナの配下10名を捕縛するのにかかった時間は、ほんの数秒。


(ら、ランク20だとぉ?! ただのナイトに、なぜ、そこまで高位の魔法がつかえる?! あいつは、いったい、何者だ?!)


 影に潜んでいたエキドナは、
 センの『異常すぎる高性能さ』におののく。

 そのスキをセンは見逃さない。

「闇縫(やみぬい)ランク23」

「うぐっ!!」

 影の中で捕縛されたエキドナ。
 身動き一つとれなくなったところを、

「よいしょ……と」

 センに引きずり出された。

(か、体が……まったく動かない……口を開くことさえできない……い、いったい、どれだけの魔力を込めたら、こんなことが出来るんだ……信じられない……)

 魔力のケタが違うセンを前にして、
 さすがのエキドナも冷静さを保つのが難しくなってきた。

 センのステータスは、とにかくズバ抜けている。
 この世界において、強さの値は『存在値(レベルを底値とした総合評価)』という項目で扱われるのだが、その数値において、センは『1000』で、エキドナは『390』。

 バルディ王子は、世界全体を見渡しても最高峰に位置する天才で、
 存在値は『500』。

 世界最強格でも500が精々。
 センの『1000』は文字通りケタが違うのである。

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