センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
6話 世界一の女の子。
6話 世界一の女の子。
――すべての説明を聞き終えたノコは、
「10000年……」
呆然としていた。
信じがたい話だが、
ノコは『センの人となり』を知っているので、
センの言葉が『嘘ではない』と理解できた。
だからこそ、余計に呆然としてしまう。
「そ、そんなにも長い時間……あたしのために……」
「受けた恩を返しただけです」
そこで、センは、改めて、彼女と向き合い、
「ノコ様……俺を救っていただけたこと、多くの苦しんでいる人々を救っていただけたこと、本当に感謝しております。あなたには、返しきれない恩がある。今後、俺は、あなたの願い・望み、その全てを叶えていくつもりです。もう、あなたは、十分すぎるぐらい、世界に対して尽くしてきました。今後は、どうか、ご自身の幸せだけを考えて生きてください」
「……話して」
「は?」
「もっと話して。あなたが、10000年間、何をしてきたのか。どれだけ頑張ってきたのか。その全てを、詳細を、あたしに教えて」
「……面白い話ではありませんよ。ひたすら修行をしていただけです」
「それを……聞かせてと言っているのよ」
『彼女が望むことはすべて叶える』と決めているセンは、
自分が、これまでの10000年間の間に積んできた努力について語った。
朝起きて、夜寝るまでの間、何をしてきたか。
この10000年間、センは、とにかく、ひたすらに、自分をイジメ抜いていた。
『常人では決して耐えられない狂気の努力』を積んで、
センは、『今の力』を得たのである。
センから話を聞いたノコは、
ぽろぽろと涙を流しながら、
「……なんで……そんなことが……できたの……」
「その言葉は、むしろ、ノコ様に言いたいですね。俺が頑張れたのは、あなたが俺を救ってくれたから。あなたを失いたくないと思ったから。あなたを助けたいという気持ちがなければ、間違いなく、途中で折れていました」
「様はやめて。敬語も」
「……ぇ?」
「あなたとは、対等になりたい……」
「……」
「それとも、『神代の力を得たあなた』と『対等になること』を望むなんて、不敬かしら?」
センは、数秒だけ、自分を整えてから、
ゆっくりと口を開く。
「……君が望むなら、俺は全て叶えるよ。今後のことも、何も心配しなくていい。俺は強くなった。たとえ、この世界全てを敵にまわしても、俺は間違いなく、君を守れる。だから、安心してくれ。俺は必ず君を守る。君が守ってくれたこの命を、あますことなく君に捧げる」
「……そこまで想ってもらえて、すごく嬉しい。けど、あなたはあなたのために生きて。あたしに縛られる必要なんてない。もう、あなたは十分すぎるくらい、あたしに尽くしてくれた」
「俺は俺のために生きているよ。ノコを守り続けること。それが、俺の生きる意味であり、喜び。だから、どうか……もし、本当に俺のためを思うのであれば、どうか、自分を大切にしてほしい。ノコが幸せになった分だけ、俺も幸せになれるんだ」
「あなたに、そこまで想ってもらえるほどの価値なんて、あたしにはないわよ」
「ふざけるな。君は世界一の女の子だ。10000年の間に、多くの女性を見てきたが、君以上の女性なんて一人もいなかった」
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