センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

後日談(12) 安易な絶死。


 後日談(12) 安易な絶死。


「命を奉げるぅうう! 寿命は残り一か月でいい! だから、リミッターを外せぇえええ!!」


 叫ぶと、
 エタナルの体を、真っ赤なオーラが包み込む。

「はっはぁああ! これで、貴様より強くなったぞ、コイチゴぉおお! 貴様を殺し、そして、世界に死をバラまく! 今の私なら、一か月もあれば、世界中の命を殺しつくすこともたやすいだろう!! 世界中に死を蔓延させることは、邪神である貴様の悲願だろうが、残念! その『お楽しみ』は私がもらうぅうう!!」

(……存在値800……アポロと比べれば小さいが……俺よりは大きいな)

 そう理解すると同時、
 超苺は、カミーレンに視線を向けて、

「………………カミーレン、セン様をお守りしろ」

「私も戦います! 私はコイチゴ様の配下です!」

「………………二度と言わせるな。守れ」


「……っ!!」

 超苺の眼力は、いつも苛烈なのだが、
 この瞬間の超苺は、いつもより、もっとギラついていた。

 流石に、カミーレンも、何も言えず、

「か、かしこまりました……」

 そう言いながら、センの方に近づいていく。

 超苺は、そんな彼女から視線を外し、
 エタナルをにらみつけ、

(……さて、どうしたものかな……)

 と、思っていると、
 そこで、エタナルが、

「ん……ぐぅ……ちぃ……まだ、意識が残っているのか……鬱陶しい……消えろ……」

 なにやらもだえ始めた。

 そして、

「……だれか……助けて……」

 ボソっと、そうつぶやいた。
 その直後、同じ口で、

「うるさい、きえろぉおお! 出てくるなぁあああ!」

 そう叫ぶと、

「はぁ……はぁ……まったく、鬱陶しい女だ」

 『エタナルの自我』は、神呪の圧力によって、完全に抑え込まれてしまった。


「貴様を助ける者など存在しない。貴様は、ずっと、他者を寄せ付けずに生きてきた。呪いを解くことにかまけて、他の何も見えていなかった。ゆえに、最後は一人で死ぬ。肉体的にも、精神的にも、社会的にも、すべてにおいて一人で死ぬ。ははははは! まさに、貴様にふさわしい最後じゃないか」

「………………何が面白い?」

 ふいに、
 ぐつぐつとした殺気を放ちながら、
 超苺が、エタナルをにらみつける。

 その眼力が、あまりに強すぎて、

「……っ……さ、さすがだな、コイチゴ。『究極の邪神』を名乗るだけのことはある。貴様は本当に化け物だ……しかし、今の私なら殺せる!!」

 そう叫びながら、
 エタナルは、超苺に殴りかかった。

 先ほどとは比べ物にならない一手。
 すさまじいスピードとパワー。

 その『高み』を前にしていながら、
 しかし、超苺は、

「……しっ!!」

 空気をえぐりとるような吐息。
 エタナルの動きに、完璧な武をあわせていく。
 相手のパワーとスピードを利用する、
 太極拳や古武術のようなカウンター戦法。

 肉を切らせて骨を断つ。
 コンマ数秒も悩むことなく、超苺は、自分の腕を犠牲にした。
 相手のパワーがハンパではないので、無傷は通せなかった。

 ――けれど、どうでもいい。
 ――腕なんか、くれてやる。


 ――とにもかくにも、俺の前で、女の子を泣かせるな。


「………………『宵(よい)の鴉(からす)と虚数堕(きょすうお)とし』……」


「だぁああああっ!!」

 エタナルの体が半回転する。
 恐ろしい速度で体をブン回されて、
 地面に、おでこを、たたきつけられた。


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