センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

36話 女の子をボコボコにするセンエース。


 36話 女の子をボコボコにするセンエース。

 そう言って、俺は、
 ユズと向き合う。

「クソ女……てめぇは、今、俺を殺す気で攻撃したな」

「……あ? それがどうした……」

「ここからは、もう『カツアゲの復讐』にとどまらねぇ。ただの殺し合いだ。てめぇは俺を殺そうとした。だから、殺す。俺は聖人じゃねぇ。尊くもねぇ。ただの『性格が悪い陰湿(いんしつ)なクソ野郎』だ。だから、お前を、躊躇(ちゅうちょ)なく殺す。遺言(ゆいごん)があるなら、ほざいていいぜ。聞くだけ聞いてやる」

「……妙に防御力が高いからって調子にのるなよ、カスぅ! たまたま『異次元砲を使えるシッポ』をひろっただけの『運だけクソ野郎』が、地獄を見てきた私を殺せるワケないだろ! 私とあんたじゃ、『生まれつきの資質』も、『後天的(こうてんてき)な努力の量』もケタが違うんだ!!」

 怒りまみれで、そう叫ぶと、
 ユズは、また、豪快な速度で殴りかかってきた。

 もう、簡単には殴られてやらない。
 すでに、『前提』はととのった。

 てめぇは『殺意のこもった拳』で俺を殴りつけた……
 その罪(つみ)を清算してもらう。

 俺は、
 ヘブンズキャノンに命令する。

「フルパレードゼタキャノン!!」

 『高火力』だけど『異次元砲よりも使い勝手が悪い魔法』。
 それが、このフルゼタ!

 タメが長い!
 使ったあとの硬直(こうちょく)も長い!
 クールタイムも長い!
 反動が大きいから命中させるのが難しい!

 本当に、コスパの悪い魔法。
 けど、かっこいいから、つい使ってしまった!
 やっぱり、俺はアホの子だ!!


「ぎゃあああああああああああっっ!!」


 かなり偶然くさかったが、
 なんとか、フルゼタを直撃させることに成功。

 最近の俺、なんか、すげぇ運がいいな……

 なんて、思っていると、
 ユズが、

「ああああ! うううう! 痛いぃい!」

 どうやら、あのバトルスーツは、『エヴァンゲ〇オン』と同じで、ダメージがシンクロするタイプらしい。

 ……こんなにうれしいことはない。
 このまま、外側からボコボコにして、
 あいつに、『命の痛み』を教えてやる。

 てめぇは、『陰湿(いんしつ)な俺』をイジメてしまった。
 あまつさえ、『殺そう』とまでしてしまった。
 だから、当然、盛大なしっぺがえしをくらう。

 さあ……絶望を数える時間だぜ、クソ女。

「おらおらおらぁあああああっ!!」

 俺が、ユズを殴ると、
 連動して、ヘブンズキャノンがグンと伸びて、ユズに直撃。

 俺の拳は、なんのダメージもあたえていない。
 ダメージを与えていないどころか、むしろ、こっちの指の骨が折れて、痛いだけ。

 だが、ヘブンズキャノンの『刺突(しとつ)』は、
 かなりのダメージ量で、

「がああああああ!」

 ヘブンズキャノンに体をえぐられるたび、
 ユズは、大きな声で泣き叫ぶ。

 いい音色(ねいろ)だ。
 カスの悲鳴は、俺の心をいやしてくれる。

 『俺がユズをボコボコにしている、この風景』を、ぜひ、録画しておきたいくらい。
 そして、俺のことを尊いとか高潔とか、そんな『謎の勘違い』をしている連中全員の前で、その映像の鑑賞会(かんしょうかい)を開きたい。


 ……なんて思っていると、

「……う、うがぁああああ!!」

 ユズが、反撃してきた。
 アイテムボックスから、でかい剣を召喚して、
 俺に切りかかってきた。

 ザシュゥっと、
 見事に俺は真っ二つ。
 普通なら即死だろう。
 即死にふさわしい痛みを感じた。
 ほんとに、マジで、すげぇ痛ぇんだよ……
 で、そのあとにくるメンタルへの大ダメージがエグいんだよ。

 ……まあ、でも、この程度では折れねぇけどな。
 俺の根性、ナメんじゃねぇ。
 こちとら、幼稚園、小学校、中学校、という地獄を、
 一人で耐え抜いてきた稀代(きだい)のボッチエリートだぞ。

 マジで、ナメんじゃねぇ。



 ――『何をしても死なない俺』を見て、
 ユズは、

「……な、なんなの……あんた……もう……気持ち悪い……」

 と、本音を口にした。

 同感だぜ。
 と、心の中でそうつぶやきつつ、
 俺は、

「俺から言わせれば、てめぇも相当気持ち悪いんだよ、クソ女」

 そう言ってから、

「死にやがれ……フルパレードゼタキャノン」

 『殺し合いの幕(まく)』を引こうと、
 俺は、ヘブンズキャノンに、極大魔法を吐(は)かせた。

 その膨大なエネルギーは、

「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!」

 ユズの肉体と精神に、これでもかと、
 大きなダメージを与えた。

 殺す気で放ったのだが、
 ユズはしぶとく……
 というか、あのバトルスーツがしぶとく、

 まだ、ギリギリのところで生きていた。
 しぶとい女だ。
 ゴキブリみたいな女は、やはり、ゴキブリのように生命力が高いらしい。

「なかなか、しぶといな、クソ女。んー……そうだなぁ……殺そうかと思っていたが……どうせだし、生かしておいた方がいいかな」

 こいつぐらいなら、いつでも殺せる。
 慌てて殺す必要はない。

「お前が、この未来世界でも『やばいことをしまくった』というのは知っている。生きて、ちゃんと、罪を償(つぐな)え」

 ここで死んで終わり。
 そんな『楽な結末』は許さねぇ。

 お前は、蝉原と同じで、
 長い時間をかけて、じっくりと、『なかなか終わらない地獄』を見てもらう。


「センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く