センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

20話 デビナ視点(2)。


 20話 デビナ視点(2)。

 家を出たところで、フード野郎に襲われた。
 なんだか、面白そうだったので、
 あたしは、肩にかついでいた『ウロス』を、

「アズライル、ちょっと預(あず)けるぜ!」

 そう言って、投げ渡してから、
 フード野郎の攻撃と向き合う。

 単純な直線状(ちょくせんじょう)の攻撃。
 あたしは、サクっとよけてから、
 フード野郎の顔面に、軽めのジャブを入れてやった。


「ぐぁあああっ!!」


 すげぇ軽めにいれたのだが、
 フード野郎は余裕で吹っ飛ぶ。

 あのフード野郎の存在値は350ぐらい。
 まあ、弱くはねぇが、あたしの敵じゃねぇ。


「……ぐっ……そ、その強さ! 存在値200ではないな! フェイクオーラをかけているのか!」


「フェイクオーラは、基本だろ! 自分の情報を垂(た)れ流して歩くなんざ、アホのすることだぜ!」

「……私の『サードアイ(セブンスアイの下位互換(かいごかん))』をあざむくとは……まさか、貴様ら、『下っ端』ではなく『クリムゾン・スターズ』のメンバーか!」

 なんか『知らんチーム名』が出てきた。
 けど、ここで普通に否定してもつまらねぇ。
 というわけで、

「もちろん、そうさ! で、それを知ったお前は、ここから、どうするぅ?!」

 と、悪ノリしていく。
 人生ってのは、こういう悪ノリしている時が一番おもしれぇ。

「……女神教がほこる最強の精鋭(せいえん)チーム『クリムゾン・スターズ』が相手となれば、さすがに、私も本気を出さざるをえないな」

 そう言うと、
 フード野郎は、全身に魔力とオーラを充満(じゅうまん)させていく。

 なかなかいい練度(れんど)だ。
 ガッツリ鍛(きた)えているのが一目で分かる。

 まあ、あたしの前に立てるだけの資格はねぇけどな。
 かはは!

「見るがいい! 女神教のエージェントよ! これが私の全力だぁ!!」

 そう言いながら、爆速で、あたしとの距離をつめてくる。

 いい動きだ。
 悪くない。
 『悪くないだけ』だけどな。
 かはは!


「おらよっ!」


 相手の動きを、あえてギリギリのところでサラリとかわし、
 今度は、ジャブではなく、アッパーをアゴにいれてやった。

「ぶへぁあっ!!」

 噴水みたいに血を吐くフード野郎。

 追撃(ついげき)しようと思えばできたが、
 あたしは、ニタニタと笑うだけにとどめる。

 『気絶するほどの力』では殴っていないので、
 フード野郎は、どうにか体勢(たいせい)を立て直して、

「ぐっ……ぐぅう! な、なんという力……クリムゾン・スターズが、貴様のようなバケモノを隠し持っていたとは……誤算だった」

「かはは! どうだ! クリムゾン・スターズはすげぇだろ! クリムゾン・スターズはただもんじゃねぇぜぇ! なにがどうとは言えねぇけどなぁ! かははははは!」

 クリムゾン・スターズとやらが、どこの誰か知らんが、
 とりあえず、口に出すと気持ちいいから連呼しておく。

 クリムゾン・スターズ、万歳(ばんざい)!
 クリムゾン・スターズ、最高!
 どこの誰か知らんけど!

「……くっ……まさか、こんなところで、『切り札』を使うハメになるとは思ってもみなかった……」

 切り札?
 ほーう。
 また、面白そうなことをはじめてくれるじゃねぇか。
 ワクワクするぜ。
 どんなピエロをかましてくれんのか。

 なんて思っていると、
 フード野郎は、不敵な笑みを浮かべて、

「――まあいい。おそらく、貴様は、クリムゾン・スターズの中心人物……戦闘の要(かなめ)だろう。ここで貴様を殺しておけば……我ら邪神教の宿敵(しゅくてき)である『女神教』を排除(はいじょ)するのがたやすくなるはず」

 そう言いながら、フード野郎は、
 『めちゃくちゃダッセェ形状(けいじょう)』の『邪神像(じゃしんぞう)』的なものを取り出して、

「クリムゾン・スターズのバケモノよ! 貴様に、超王級の邪神を見せてやる! その力は、六大魔王にすら匹敵する領域だぞ!」

 そう叫びながら、
 邪神像を天に掲(かか)げて、

「いでよ! 『ロードライト・ハデス・ワイズマン』!!」

 おお、マジかよ。
 『ロードライト・ハデス・ワイズマン』っつったら、
 マジで、超王級のモンスターじゃねぇか。

 ちなみに、モンスターのランクはこんな感じ。
 最々下級
 最下級 
 下級  
 中級  
 上級  
 最上級 
 王級  
 超王級 ←ロードライトはここ。
 神級  
 大神級 

 ワクワクしながら、召喚されるのを待っていると、
 『邪神像』が砕(くだ)け散った。

 砕け散った破片(はへん)が魔方陣(まほうじん)をえがき、
 そこから、『邪悪な死神』が姿を現す。



「――我(われ)を呼んだのは貴様か」



 おお、いいねぇ!
 ガチでなかなか強いじゃねぇか。
 存在値480。
 まあまあの強さだ。

「そうだ! ロードライト・ハデス・ワイズマンよ! 私が貴様の召喚主だ! そして、敵は、あの女だ! 殺せ! 全力をもって殺せ! その後(のち)に皮をはぎ、腕をもぎ、邪神教に逆らった罪の重さを、骨身(ほねみ)に思い知らせてやるのだ!」

「――了解した」

 そう返事をすると、
 ロードライトは、でっけぇ鎌(かま)を構えて、

「――小娘、死ぬがいい」

 なんて、楽しいことを言いながら攻撃をしてきた。
 わらかしてくれるねぇ。


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