センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
90話 究極の邪神(笑)。
90話 究極の邪神(笑)。
「借り物の力を振り回して嬉しいかぁああ! むき出しで勝負しろぉお!」
「……これが、私の『むき出し』ですよ。私の可能性を、勝手に低く見積もらないでいただきたい」
「――うぅ! ぐぅう! ぐっ……ぎぃっ!」
今の自分では、『どれだけの力』を込めようと『ウムルを蹴散らしてエネルギーを奪い取ること』は不可能――そう判断すると、
ヨグは、
「た……頼むぅ……ほんの少しでもいい……分けてくれ……」
無様に頼み込む。
『労基に追い詰められたパワハラ上司』さながらのみっともなさ。
そんな、かつてのパワハラ上司に対して、
ウムルは、
「……『恩という名の情』は返しましたが、『もらったモノ』は、まだ私の中に残っております。恩を返した以上、それを返す義理はありませんが……レンタルまでなら、許しましょう。『中心を失ったアルテマ・ウムル』では、あまりに弱すぎて、『絶対的精神的支柱の七段階目』に届いたセンエースの『戦闘データ』をとれませんでしたしね……」
「……結局、自分の都合ではないか」
「いやなら結構。他の手をうつだけです。私には、まだ『シュブ=ニグラス』の幻影を使う方法も残されていますので」
ウムルの狡猾さに対し、
ヨグは、一度歯ぎしりをしてから、
「……わかった……よろしく頼む」
頭を下げた。
★
すべての調整が終わった時、
『究極の邪神』が誕生した。
これまでに存在したどの邪神をも超える圧倒的なスペック。
まぎれもなく、最強の神。
――けれど、
「こ、これでも……届いていない……」
ヨグは、膝から崩れ落ちた。
間違いなく強くなっている。
絶死も積んだ。
コスモゾーンにおかわりもした。
蝉原にもすがりついた。
何もかも全部を積んで、
しかし、結果は、
「……センエースより……数値的には上になった……が……この程度では、話にもならない……」
これまで、あまたの化け物たちが、
『センエース以上の数値』でもって、
センエースに相対してきた。
中には、
センエースより『3倍以上強い者』もいた。
中には、
センエースより『10倍以上強い者』もいた。
中には、
センエースより『1000倍以上強い者』もいた。
――そのどれもが、当たり前のように、
センエースの可能性に圧殺された。
『俺より強い程度の雑魚には負けない』
そのセリフは虚勢ではない。
ただの事実。
『センより強い』という程度では、
センを削り切ることはできない。
センよりも圧倒的に強くなければ、『センエースと対峙する資格』さえ与えられない。
――今のヨグはセンよりも強い。
『今のセンエースよりも強い』というのは、
『全世界に誇れる数値である証拠』なのだが、
しかし、その程度では、勝てるわけがない。
勝てないのであれば、意味がない。
数値が1000兆だろうと、1京だろうと、
そんなことはどうでもいい。
『勝てる』か『勝てない』か。
重要なのは、いつだってそこだけ。
「……ぐ……ぅう……」
自分ではセンエースには勝てない。
そんなことは分かっている。
だから、
「――センエースエンジン……インストール……」
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
15254
-
-
516
-
-
49989
-
-
3395
-
-
52
-
-
337
-
-
549
-
-
314
-
-
11128
コメント