センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
77話 さあ、決着をつけよう。
77話 さあ、決着をつけよう。
「なるほど……まあ、お前の場合、それも嘘である可能性はいなめないが……正直、そっちの方がありがたいな。俺とお前の闘いに、あいつらを巻き込むと、いろいろやべぇだろうし。ところで、お前のところには、どうやって行けばいいんだ?」
――最初の荒野を覚えているか――
「最初の荒野? ……この世界で最初に目を覚ました場所のことか?」
――その上空一万メートル地点に『天の祭壇』というのがあるから、そこで、『今、手に入れた三つの鍵』をささげろ――
「……RPG的だねぇ」
――『三つの鍵』をささげたら、そこで呪文を唱えるんだ。そうすれば、時空の門が開く――
「ほむほむ。で、呪文とは?」
――一回しか言わないから、ちゃんと覚えろ――
「あいよ。できれば短い呪文で頼む」
――オング、ダクタ、リンカ。ネブトッド、ヂン。フングルイ、ムグルウナフ、ヨグ=ソトース、ンガァ・グア、ナ・フルタグン。イア・イア! ヨグ=ソトース、フタグン、イア・イア、ヨグ=ソトース、フタグン――
「……いや、長ぇよ」
――これを、一文字たりとも間違わずに唱えろ。そうすれば私と出会える――
「だから、長ぇって。一回聞くだけじゃ覚えられねぇ。あと、7~8回言ってくれ」
――その必要はない。貴様は『覚えて』いる――
「はぁ? んなわけ……」
と言いつつ、センは、先ほど、ヨグが口にした呪文をボソっと口にしてみた。
「……オング、ダクタ、リンカ。ネブトッド、ヂン。フングルイ、ムグルウナフ、ヨグ=ソトース、ンガァ・グア、ナ・フルタグン。イア・イア! ヨグ=ソトース、フタグン、イア・イア、ヨグ=ソトース、フタグン……え、なんで、俺、覚えてるん?」
魔法やアイテムやアリア・ギアスを使えば、
一瞬でものを覚えるのは造作もないが、
今、センは、そんなものは使っていなかった。
究極超神ではあるものの、彼の短期記憶能力は、常識の範疇に留まっている。
だから、『聞いたばかりの長い呪文』を、一発で覚えるなど不可能なはず。
(まさか、命に刻まれていた?)
などと疑問に思っていると、
そこで、ヨグが、
――さあ、決着をつけよう。貴様に私の全てを教えてやる――
★
――いったん状況を整理するため、
アルテマ・ウムルを処理した後のセンは、
一度、裏ダンジョン・ゼノリカに帰還した。
平に対して『帰る』という一方的な連絡をいれてから、
『シューリたちを縛っている禁止魔カードの呪い』を強引に解呪した。
ここでちょっと手間取った。
禁止魔カードの呪いは、無駄に強固で、
センを拒絶しまくっていたが、
『ナメんなよ、クソぼけがぁあああ!』
と、血管が引きちぎれそうになるほど頑張った結果、
どうにか、解呪に成功した。
ハッキリ言って、ウムルを殺す100倍ぐらいの労力がかかった。
その後、彼女たちに怒られた。
『無茶をするな』と、シューリにボコられ、アダムとミシャに泣かれ、
はたからみると、『最低な旦那』が『嫁を泣かしている』ようにしか見えなかったという。
めでたし、めでたし
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