センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

56話 センエースを知る者。


 56話 センエースを知る者。

(ああ、これは無理だな……50号を出す前に殺しきるのは不可能……)

 ウムルは、心底ダルそうに天を仰いだ。

 覚悟ブーストによって底上げされたのは、
 『センエースを知らない者』たちだけではない。

 ――というか、当たり前の話で、
 『センエースを知っている者』たちの方がより強く輝く。
 『上昇割合』という点だけでモノを見れば、
 そりゃ、『センエースを知らない者』たちの方が上だが、
 実質的な輝きの質量では、『センエースを知るもの』には及ばない。

 『センエースを知る者』の中でも、
 特に、アルキントゥとパメラノとカティの三人は、
 強烈な光を放っていた。

 アルキントゥの腕には、生まれながらの聖痕(せいこん)が刻まれている。
 『クソほど達筆すぎる漢字』なので、当人ふくめ誰も読めないのだが、
 実は彼女の腕には『閃壱番』の文字が刻まれている。

 その聖痕は、アルキントゥが絶望の前に立った時、
 いつも、淡い輝きを放って、アルキントゥを支えてくれた。
 今だってそう。
 これまでのどの絶望よりも強く輝いて、
 彼女の魔力とオーラの限界値を殺してくれる。

 全体回復支援型である彼女の輝きが増したことで、
 ゼノリカの継戦能力が大幅に底上げされた。

 聖痕が輝きを放った時のアルキントゥの回復魔法はバグレベル。
 ウムルから受けたダメージを、はじから、なかったことにしていく驚異の全体回復。

 ヒーラーが最高峰だと、パーティの安心感は、常時『実家レベル』。
 損失をおそれない半ゾンビゼノリカの脅威は異常。


 パメラノは、奇妙な剣を召喚する。
 『虚影(こかげ)』と呼ばれている謎の武器。

 アルキントゥの聖痕のように、生まれつき、中心に刻まれている力の一つ。
 極限状態でのみ召喚できる剣で、装備するとパメラノの魔力を大幅に上昇してくれる。

 この剣は、非常に禍々しいオーラを放っているのだが、
 なぜか、これを装備していると、心が芯から温かくなる。

 さすがに、ウムル級を相手に、EZZパニッシャーで完全封印を決め込むことは難しいが、視覚や聴覚などの感覚器官に阻害を入れることや、神経系統にノイズをいれて動きをにぶくすることは可能。

 上位の支援型が底上げされたことで、アタッカーの精度も増していく。

 カティも、キレが上がっていた。
 アルキントゥとパメラノが加速したからという理由だけではない。
 カティのメイン武器であるシトにも、
 極限状態限定の力が備わっている。
 『世界がピンチになればなるほど火力が青天井に上がっていく』というふざけた特性。
 ――P型との戦闘で、センエースを知って以降、
 彼女の中で、センエースという存在はどんどん大きくなっていった。

 簡単に言えば、彼女は、センエースに一目ぼれしたのである。

 P型戦で見た輝きが『その後の彼女の全て』になったほど。
 その感情が膨らむにつれて、シトの中に刻まれている『救いに応える』というルーンが活性化していった。

 シトは、センが創ったナイフであり、
 当時、センが創ろうとしたナイフの完成形は、
 『救いを求める者を自動で救い続ける武器』である。

 理想としては『幻爆の剣翼』のように、
 全世界に自動展開させて、
 『暴漢やモンスターに襲われそうになっている者』などが、
 『誰か助けて』と叫べば、その声に反応して、『悪意ある敵』の首を刈る。

 ――センは、そんな武器をつくろうとしていた。

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