センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

51話 磨かれていくゼノリカ。


 51話 磨かれていくゼノリカ。

「ははははは、なかなかいい感じの数字になってきたじゃないか。そのスペックなら、誇っていい。悪くない上昇率だ。センエースの覚醒と比べれば、まだまだショッパイけれど、それは、比べる相手が悪すぎるというだけの話」

 そう言いながら、
 2号は、ゆっくりとした歩調で前に出て、

「どうあがいたところで、100万の私たちを削り切れる数字ではないが……しかし、実際、なかなかの圧力……」

 オーラと魔力を充満させて、

「さて、やろうか。……できれば、5号を出す前に終わらせたいが……それは、ちょっと、厳しいかな。貴様らの圧力は素晴らしい。10号までは殺される必要があると覚悟しておいた方が賢明か」

 2号の圧力を受けて、
 ゼノリカの面々は、『2号が1号と変わらない化け物である』と、
 改めて正式に認識した。

 幾人かは『ハッタリであってくれ』と祈っていたが、
 その祈りは届かなかった。
 事実、ここにいる100万体のウムルは、先ほど倒したウムルと同等の力を持つ。

 ハッキリ言う。
 不可能だ。
 今のゼノリカに、100万のウムルを削り切る底力は存在しない。

 そんなことは、ゼノリカの面々も理解できている。
 けれど、『どうにか気絶することなく意識をたもっている面々』は、
 現状を正しく理解した上で、2号に対して牙をむいた。

 折れかけている心を奮い立たせる。
 自分一人だけで立ち向かっていたとしたら、
 とっくの昔に心がぶっ壊れていたが、
 目の前には三至と五聖と九華がいるので、
 どうにか、歯をくいしばることができた。

 何よりも、ゼノリカの心を支えているのは『ゾメガの教え』である。
 いまだ、半信半疑な部分もあるが、しかし、
 センエースという王が、『これほどの絶望』を何度も乗り越えてきた、
 というのが事実であるのならば、
 センエースは、確かに、命の王である。
 ――そんなふうに心が思った。
 心の理解は、そのまま、器になってくれる。
 まだまだ脆い器だが、
 それでも、確かに器になってくれた。

 だから、ゼノリカは、まだ舞える。
 この絶望を前にして、歯をむき出しにできる。


 ――ゾメガの『さらなるバフ』により、
 ゼノリカの面々は、すさまじく強化された。

 先ほどよりも、はるかに体が動く。
 デバフの通りもいい。
 『全員での闘い』を繰り返したことで、連携力も上がってきている。

 この闘いで、ゼノリカは大きく成長できた。
 だから、ほんのわずかな時間で、


「ぐ……はっ……」


 2号をブチ殺すことができた。
 1号を倒すのにかかった時間の半分以下で、
 かつ、受けたダメージも10分の1以下に抑えることができた。

 ウムルという敵との闘い方にも慣れてきて、
 ゾメガも、『オルゴレアム・オーバーロード』という変身に適応してくる。
 ゾメガがオルゴレアム・オーバーロードに適応するたび、
 配下の面々も、自身にかかっている強烈なバフに適応していく。

 時間を重ねるごとに、ゼノリカは、どんどん強くなる。
 学習していく。
 すべてを。
 効率よく。
 必死に。
 貪欲に。

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