センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
51話 磨かれていくゼノリカ。
51話 磨かれていくゼノリカ。
「ははははは、なかなかいい感じの数字になってきたじゃないか。そのスペックなら、誇っていい。悪くない上昇率だ。センエースの覚醒と比べれば、まだまだショッパイけれど、それは、比べる相手が悪すぎるというだけの話」
そう言いながら、
2号は、ゆっくりとした歩調で前に出て、
「どうあがいたところで、100万の私たちを削り切れる数字ではないが……しかし、実際、なかなかの圧力……」
オーラと魔力を充満させて、
「さて、やろうか。……できれば、5号を出す前に終わらせたいが……それは、ちょっと、厳しいかな。貴様らの圧力は素晴らしい。10号までは殺される必要があると覚悟しておいた方が賢明か」
2号の圧力を受けて、
ゼノリカの面々は、『2号が1号と変わらない化け物である』と、
改めて正式に認識した。
幾人かは『ハッタリであってくれ』と祈っていたが、
その祈りは届かなかった。
事実、ここにいる100万体のウムルは、先ほど倒したウムルと同等の力を持つ。
ハッキリ言う。
不可能だ。
今のゼノリカに、100万のウムルを削り切る底力は存在しない。
そんなことは、ゼノリカの面々も理解できている。
けれど、『どうにか気絶することなく意識をたもっている面々』は、
現状を正しく理解した上で、2号に対して牙をむいた。
折れかけている心を奮い立たせる。
自分一人だけで立ち向かっていたとしたら、
とっくの昔に心がぶっ壊れていたが、
目の前には三至と五聖と九華がいるので、
どうにか、歯をくいしばることができた。
何よりも、ゼノリカの心を支えているのは『ゾメガの教え』である。
いまだ、半信半疑な部分もあるが、しかし、
センエースという王が、『これほどの絶望』を何度も乗り越えてきた、
というのが事実であるのならば、
センエースは、確かに、命の王である。
――そんなふうに心が思った。
心の理解は、そのまま、器になってくれる。
まだまだ脆い器だが、
それでも、確かに器になってくれた。
だから、ゼノリカは、まだ舞える。
この絶望を前にして、歯をむき出しにできる。
――ゾメガの『さらなるバフ』により、
ゼノリカの面々は、すさまじく強化された。
先ほどよりも、はるかに体が動く。
デバフの通りもいい。
『全員での闘い』を繰り返したことで、連携力も上がってきている。
この闘いで、ゼノリカは大きく成長できた。
だから、ほんのわずかな時間で、
「ぐ……はっ……」
2号をブチ殺すことができた。
1号を倒すのにかかった時間の半分以下で、
かつ、受けたダメージも10分の1以下に抑えることができた。
ウムルという敵との闘い方にも慣れてきて、
ゾメガも、『オルゴレアム・オーバーロード』という変身に適応してくる。
ゾメガがオルゴレアム・オーバーロードに適応するたび、
配下の面々も、自身にかかっている強烈なバフに適応していく。
時間を重ねるごとに、ゼノリカは、どんどん強くなる。
学習していく。
すべてを。
効率よく。
必死に。
貪欲に。
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