センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

48話 ここからが本当の地獄だ。


 48話 ここからが本当の地獄だ。

 ゾメガの無謀な特攻では、さほどダメージを与えられていなかった。
 というか、ゾメガの方が多大なダメージを受けていた。
 しかし、それでいい。
 ゾメガの目的は、盾役をしつつ、ダメージを稼ぐことだったから。

 ダメージが蓄積されるたびに、
 ゼノリカの火力が上昇していく。
 ゼノリカの――というか、ここに関していえば、
 平熱マンの火力を上げることが目的だった。

 とにかく、平の一撃を底上げする。
 ほかの面々は、搦め手でチャンスをつくる。

 すべてが噛み合った結果が今。

「――ぁ――」

 平熱マンの一撃を受け止めたウムルは、
 一瞬、自分が切られたことに気づけなかった。
 死角からの一撃。
 研ぎ澄まされた神速の一刀両断。

 自分の中心が刻まれたことを理解したウムルは、



「……ちぃっ……こ、ここまで、か……まあ、よく頑張った方だろ……」



 そう言いながら、バタリと倒れこむ。

 あれだけゼノリカを苦しめたアルテマウムル・シャドーだったが、
 最後はあっけないものだった。

 ウムルの体がスゥっと世界に溶けていったのを見届けてから、
 ゾメガが、右腕を上げて、

「ウォオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 と、勝利の雄たけびをあげた。
 それに呼応するゼノリカの面々。

 ボロボロになりながら、
 それでも、最後の最後まであきらめることなく、
 必死になって、抗い続けた結果、
 ゼノリカは、アルテマウムル・シャドーから勝利をもぎとった。

 間違いなく勝利。
 ゼノリカは、間違いなく、アルテマウムル・シャドーに勝った。

 ――けれど、そこで、





「……やるじゃないか。まさか、『1号』を殺せるとは……『私』の出番はないと思っていたんだが……本当に驚かされた」





 そんなことを言いながら、
 『次元の裂け目』から、
 元気いっぱいのアルテマウムル・シャドーが出現した。

 その姿を見た天下の誰かが、

「……え……復活……した……?」

 そう、ボソっとつぶやいた。
 その言葉を耳にしたウムルは、
 ニっと笑ってから、

「いやいや、先ほど、貴様らが撃退した1号と私は別個体だ。別次元の同一体。同じと言えば同じだが、しかし、やはり違う」

 などと、そんな、ふざけ散らかしたことをいっていると、
 その背後から、

「いやあ、本当に驚かされた。今のゼノリカが、1号を殺せるとはねぇ」
「1号は特別弱いわけではないのだが……」
「そりゃそうだ。私たちは、みな同列なのだから」
「別個体ではあるが、同じ経験値を注がれて、同じ戦闘力を持つ」
「1号は、間違いなく、私と同じ力を持つ。そんな1号を、貴様らは殺してみせた。見事だ。称賛に値する」

 ぞろぞろと、
 サケの腹をさばいた時に出てくるイクラみたいに、
 数えきれないほど、
 アルテマウムル・シャドーが湧いて出てくる。

 それを見て、天下の誰か達が、

「……嘘……だろ……」

「こ、こんな……まさか……」

「いったい……どれだけ……」

 と、言葉をもらすと、
 『アルテマウムル・シャドー890000号』が言う。

「私たちは、全部で『100万』体以上いる」

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