センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

38話 止まらない猛攻。


 38話 止まらない猛攻。

(……P型の亜種みたいなものかと予想しとったんじゃが……これは、違うな……まったくの別物……バカげた数値だけは似たようなものじゃが……内に秘められた『積み重ね』が、P型とは、ケタ違い……こいつは本物……P型とは比べものにならん、本物の質量……)

 P型は、間違いなく恐ろしい敵だったが、
 どこかカラっぽで、『底の浅さ』を感じた。
 無粋に数字が膨らみ続けるだけのバカだった。

 しかし、目の前に立つ化け物は違う。
 この厚みは、ゾメガほどの強者を怯ませるに十分。

「――神速閃拳――」

 ウムルは次元を駆け抜ける。
 豪速のジャブを嵐にして、
 平熱マンに削りを入れながらも、
 ジャミやカンツにも牽制をいれていく。


 ――このウムルは、ヌケガラである。
 ヌケガラのシャドーに過ぎない。

 普通に考えたらP型よりも空っぽのはず。
 しかし、重たい。
 その重たさは、正式に積んできた証。

「逆気閃拳――抜刀一閃――十閃楽団っっ!!」


 止まらない猛攻。
 そんなウムルの連撃に対し、ゾメガは、

「平! もう一発、エニグマを撃つ! 悪いが、時間を稼いでくれい!」

「それはいいのですが、大丈夫ですか? もう一発撃てるんですか?」

「二発が限界じゃ。次、撃てば、さすがに動けんようになるから、そのつもりで立ち回ってくれい!」

 そう言いながら、魔力の溜めることに集中するゾメガ。
 とことんまで自分に没頭して、
 先ほどよりもドデカい一撃を放とうと躍起。

 そんなゾメガをサポートしようと、
 平熱マンは全力でウムルに削りを入れようと奔走。

 さすがの実力で、カンツやジャミよりも華麗に立ち回っているが、
 ウムルの実力は、平熱マンをも超えてしまっている。

「――いいプライマルプラチナだなぁ、平熱マン! センエースの剣技の一部が見事に体現できている! ほんと、でたらめな強さだ!」

 平熱マンに刻まれたプライマルプラチナスペシャル『史上究極の弟子(勇者)平熱マン』。
 『師が磨いてきた剣技の器』を『平熱マンの魂魄に重ねることができる』という、はなはだイカれたスペシャル。

「やはり、プライマルプラチナは格が違った。スペシャルの究極。これ以上ないスペック。プライマルプラチナを持つというだけでも、貴様が破格の価値を持つということが、よくわかる!」

 そう叫びながらも、
 ニタニタと微笑み、

「けどなぁ! こちとら、ガチのセンエースに、何度も、何度も、刻まれてんだよぉ! あいつの一閃は、何度も、何度も、何度も、私を刻み続けた! センエースの剣は、私の体だけではなく、心にも深く深く深く刻み込まれている! そんな私の前で、センエースの剣の『一部』が再現できるだけの貴様が舞える道理はなぁい!!」

 ギアをさらに上げていく。
 ウムルが積んできた全てが輝く。

 ただのシャドーとは思えない厚み。
 ゼノリカは圧倒されるばかり。

「理解しろよ、金魚の糞どもぉ! 私は『センエースの敵』だ! 『センエースの保護対象』でしかない貴様らとは、存在の次元が違うんだよぉおお!」

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