センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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35話 『純粋結論(パーフェクトコスモゾーンのアンサー)』。


 35話 『純粋結論(パーフェクトコスモゾーンのアンサー)』。

 遠い未来の自分に期待しながらも、
 しかし、同時に、不安も覚える。

 まるで『当たり前の人間』みたいだな、
 なんて、そんなことを思い、自嘲をはさむウムル。

(いや、超えるんだ……それ以外に、存在理由の証明方法はない……センエースを超える。『無上の悪』を執行し、センエースを殺す。そのためにも、器の強化は必須。私は、ここでの闘いを完璧に乗り越えて……必ず……『蝉原勇吾が誇る器の一つ』になってみせる……)

 決意をあらたにする。
 理想の未来は遠く険しいが、
 あきらめるわけにはいかない。
 これ以外に、選択肢はないのだから。

(センエース、貴様の可能性にタダ乗りさせてもらう。レゾナンス世界線に辿り着いた今も、世界の基盤自体は変わっていない。貴様が強くなるほどに、蝉原勇吾も強くなる。振り落とされなければ、私にも可能性は残る。この地獄のチキンレース……最後に勝つのは蝉原勇吾……私の最終進化形態だ。ゴートもソルもヨグも全て超えて、私が究極の個――『純粋結論(パーフェクトコスモゾーンのアンサー)』となる)

 心の中で、宣言していると、
 そこで、カンツが、

「急に黙り込んで、どうした……なにか、かんがえごとか……強大な敵であるワシを前にして……よくも、まあ……そんな悠長なことができるな……褒めてつかわす……」

 精一杯の虚勢。

 そんなカンツの言葉に、
 ウムルは、イラっとして、

「私の敵? ……それを自称できるほど強くはないだろ……ザコがぁ」

 ウムルは、そうつぶやいてから、
 カンツの腹を、全力で蹴り飛ばす。

 ドゴォっと、鈍い音がして、勢いよく吹っ飛んでいくカンツ。

 そんな彼を見下しながら、ウムルは、

「まさか、これが闘いだとでも思っていたのか? 食事だよ、こんなもの。私は、これから、すべてを捕食する……すべてを殺し、すべてを喰らう。そうでなければたどり着けない世界に……私は行く。貴様らは、そのための養分。私を、もっと黒く育むためのエサ。それ以上でもそれ以下でもない。気分の悪い勘違いはやめてくれ」

 ウムルは、さらに、オーラと魔力を充満させていき、

「私の敵になれるのはセンエースだけだ」

 目をギラつかせる。
 オーラが黒く輝く。

「さあ、いくぞ、カスども。ここから、私は、さらに一段階強くなる。つまり、どういうことかわかるか? 死のペースが跳ね上がるってことだよ。貴様らの大事な大事な家族とやらが、ここから、どんどん、どんどん、削られていくわけだ。けど、寂しくはないさ。すぐに、同じ場所にいける」

 そう言いながら、
 ウムルは、ジャミとの距離を詰めて、

「この中で一番強い貴様が、一瞬で死ねば、さすがに『ゼノリカの心』も折れるだろ?」

 そうつぶやきつつ、
 ジャミの中心に向かって、


「――閃拳――」


 とびきり重たい一撃を放った。
 本気で殺そうとした一手。
 けれど、その殺気に対して敏感に反応したジャミが、
 ギリギリのところで軸をずらしたため、

「げっ……ちっ……」

 ウムルは歯噛みする。
 今回の一撃は、これまでの遊びジャブとは違い、
 本当に殺そうと思っていたのだが、

「……普通にミスった……クソがっ……センエースエンジンは、本当に、制御するのが難しい……あまりにもピーキーすぎる……なぜ、こうも、安定性をドブ捨てられるのか、意味がわからん……」

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