センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
23話 最高峰かつ純然たる悪だから、正義の化身であるゼノリカを叩き潰す。
23話 最高峰かつ純然たる悪だから、正義の化身であるゼノリカを叩き潰す。
「カンツ・ソーヨーシ。お前はセンエースのことを、所詮は、概念の擬人化に過ぎないと判断した。それが敗因だ。もし、お前ほどの器の中心に、正しくセンエースが刻まれていたならば、おそらく、私程度は、簡単に対処できていただろう」
それは、ウムルの本音。
だが、カンツの中にセンエースは刻まれていない。
だから、カンツの睨みは届かない。
今のカンツではウムルを止められない。
――ウムルは、拳にオーラと魔力を込めて、
「煉獄閃拳」
カンツの脳天めがけて、
重たい閃拳を叩き込んだ。
頭蓋骨がヘシャげる。
脳が飛び散る。
あまりにも凶悪すぎる一撃を受けて、
さすがに機能停止に陥るカンツ。
カンツがボコられる光景。
その地獄の一部始終を、あますことなく全て見ていた天下の面々は、
「……む……むちゃくちゃだ……」
あまりにも異常すぎる状況に、
震えを止めることができなかった。
アルテマウムル・シャドーという敵の、あまりにレベルの違う強さを前にして、どうしたらいいか分からなくなってくる。
『敵が自分より強いから』といって、
無様に逃げ出すようなカスは、この場に一人もいない。
そんな者は、ここまで上り詰めることは出来ない。
だから、みっともなく逃げ出す者はいなかった。
――けど、『この状況をどうにかする手段』が、この場にいる誰も思いつかず、
だから、当然のように、全員が、呆然と立ち尽くしてしまう。
抗う気力はある。
この中には『聖典』をアホほど読み込んでいる者もいる。
だから『勇気の叫び方』は知っている。
けど、『実際の鉄火場』で『無限の勇気』を叫ぶのは本当に難しい。
センエースを信じる者も、
センエースを信じていない者も、
一律に、『本物の絶望』の精度を思い知る。
「さて、それじゃあ、お前ら死ぬか? というか、さっき殺しそこねたガキがいたな……」
そう言いながら、ウムルは、アモンを探して、
「お、いたいた」
発見すると、瞬間移動で、目の前に移動して、
アモンの髪をつかみ、ニタニタと笑いながら、
「どうだ、アモン。カッコよくお前を助けてくれたヒーローは、ご覧の有様だ」
そう言いながらカンツを指さすウムル。
頭部がグチャっている無残な姿。
「よく見ろ。あれが、末路だ。カンツの死体だけじゃなく、周囲に転がっている死体も、ちゃんと、その目に焼き付けろ。これが、現実だ」
「ひっ……ひぃ……っ」
「ゼノリカに属する者は、今日、全員、こうなる」
ウムルは宣言する。
『皆殺しにする』という地獄の宣戦布告。
「アモン、もっとだ。もっと、その目に焼き付けろ。心に刻み込め。今日は、ゼノリカが死ぬ記念の日。その運命を、もっと魂に擦りつけろ」
「な……なんで……こんなこと……」
「おいおい、無粋だな、アモン。理由なんて一つしかないだろう」
それまで以上に、黒く、微笑んでから、
「私が悪者だからだよ。最高峰かつ純然たる悪だから、正義の化身であるゼノリカを叩き潰す。当たり前の話」
「……う……うぅ……」
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