センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
9話 道は出来た。
9話 道は出来た。
「本来の正史なら、お前にも、それなりに活躍したり、人間性を魅せつけたり、と、色々出番があったんだが、残念ながら、今回のルートにおいて、お前は、ただ死ぬだけだ。残念だったな」
そう言い捨ててから、
ナイアは、リライトの首を刈った。
コンマ数秒。
認識すら出来ない速度。
鮮やかに、完璧に、ナイアはリライトを終わらせた。
断末魔を上げる余裕すらなく途切れた意識。
その場にバタリと倒れるリライトの体。
ナイアは、リライトの首と、テラの首に魔力を込めていく。
すると、二つの首がパァと、光った。
その光が収束した時、
ナイアの両手には二つのカギが収まっていた。
「クツグアのカギと、ハスターのカギ、回収完了。あとは、センエースが手に入れてくるであろうクトゥルフのカギがあれば……時空の門は開く」
そう言いながら、ナイアは、入手した二つのカギを、
先ほど送り出した『アルテマ・ウムルの中心』に仕込んでおく。
(これで、センがアルテマ・ウムルを殺せば、センの手の中に、鍵がそろう。あとは時空の門でラストバトルをかますだけ。センがプライマルコスモゾーンレリックを手に入れたあとで……俺も、プライマルコスモゾーンレリックを手にいれる)
などと、ナイアが心の中でつぶやいていると、
一連の光景を、ずっと見ていたロコが、
ガチガチと震えながら、
「な……なにが……」
そこらの子供と同じように、
ただただ震えている。
「これ……夢……? そうだ……夢に決まっている……こ、こんなこと……あるわけ……」
ブルブルと震えている彼女に、
「ちょっと、めざわりだから、今は黙ってようか」
そう言いながら、
彼女の首に綺麗なトーンをかましていく。
見事な気絶劇。
一瞬で意識を失って倒れこむロコをシカトして、
ナイアは、ヤマトに目線を向ける。
「罪帝ヒミコ。お前の役目も、もう終わりだ。お前だけじゃなく、この世界が、もう不必要。もう、俺のためには何もしなくていい、あとは、勝手に生きてろ」
「……それって、もうロコの配下をしなくていいってことぉ?」
「それだけじゃない。ぜんぶ解任だ。何もかも全部」
「そういう言い方をされると、なんだか、ちょっと腹が立つかなぁ……そんな、壊れたオモチャを捨てるみたいな――」
「そいつはニュアンスが違うな。とことん遊び尽くしたオモチャから卒業する……それだけの話だ」
「言葉遊びでしかない気がするんだけどぉ?」
「お前の感情なんか知ったことか」
最後にそう言い捨てると、
ナイアは、
「俺には、これから、大仕事が待っている。センエースがPCレリックを入手したあとで、バンプティと合体して、俺自身もPCレリックに挑むという超々々大仕事がな。ここからは、そっちに全集中させてもらう。他のことはどうでもいい」
そのまま、瞬間移動で、その場を離れた。
ナイアが消えたあと、
ヤマトは、しばらく、その場で呆けていた。
「……さて、どうしよっかなぁ……」
何も理解できていないが、
自分が、ナイアから捨てられた、
ということだけは理解できているヤマト。
「ロコの相手をする必要がなくなって……ゲン・フォースも……もういないのと同じってことかなぁ? じゃあ、もう、本格的に、やることがなくなっちゃったなぁ……」
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