センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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8話 アルテマ・ウムル、爆誕!


 8話 アルテマ・ウムル、爆誕!

「――『アウターゴッド・クルセイダーズ』――」

 ウムルに許された最大にして最強にして絶対の切り札。
 ウムルの呼び声に応じて召喚されたアウターゴッド。
 その数、総勢20名。

 一体一体が、爆裂な魔力とオーラを放っている化け物集団。
 そのあまりの凶悪さに、この場にいる大半の者が失神した。

 意識を保っているのは、ロコとヤマトとリライトぐらい。
 ただ、意識を保つのが精々で、この異常がすぎる事態に対して、普通に震えていた。

 そんな彼・彼女らの心情をシカトして、
 ウムルは、

「その裏切り者をぉ! 全力で! ブチ殺す! 手を貸せぇ!」

 アウターゴッド・クルセイダーズに対し、オーダーを出す。
 それと同時、クルセイダーズは、ウムルに対して、
 破格のバフと回復魔法を積んでいく。

 その様子を見ていたナイアは、
 ふんっ、と鼻で笑って、

「バフか回復系のサポート係ばっかりじゃねぇか。過保護ハーレムか」

「私がメインアタッカーを務める! それが私の誇りだ!」

「誇り? そうじゃねぇだろ。当然、意地や覚悟でもない。ただ害悪なだけ。中心を失ったヌケガラは、これだからいけねぇ」

 などと言いながら、ナイアは、
 クルセイダーズに向けて、

「――神牙強奪ランク3500――」

 えげつない魔法を放つ。
 膨大なエネルギーが、過剰なエネルギーを飲み込んで、
 名状しがたい暴走を巻き起こす。
 その『火事場を狙った泥棒』のような闇が、
 貪るように、クルセイダーズを喰い散らかす。

「あ、ああ……」

 あっさりと、すべてを奪われて絶望するウムルに、

「下手にこびりついたテメェのハンパな自我はもう不要。全部かきかえて、ただの壁にしてやる。てめぇの役目は、センエースに対する時間稼ぎ。そんだけだ!」

 そう言いながら、
 ナイアは、奪い取ったアウターゴッド・クルセイダーズの魂魄をグチャグチャに混ぜこんでから、

「20体のアウターゴッドと、ウムル=ラトを生贄にささげ、最強の人形『アルテマ・ウムル』を召喚!!」

 膨らんでいく。
 ウムルの全てが、
 でかい風船みたいに、
 ムクムクと膨れ上がっていく。

 最後には、パーンと、はじけ飛んだ。
 その結果、残ったのは、

「……ぷはぁ……」

 解き放たれた顔をしているウムル。
 それまでの自分と決別。
 新たなる神生のデビュー。

「アルテマ・ウムル。てめぇの役目は理解できているか?」

「私の役目は……この命を賭して、『レゾナンスに届いた命の王』を足止めすること」

「OKだ。じゃあ、準備してこい」

「……はっ」

 返事をすると、
 ウムルは、闇に溶けていった。

 場が静かになったところで、
 リライトが、

「な、なんだ……何が起きている……何をしている……貴様は……いったい、なんだっ」

「この世界における『最強の人間』ともあろう者が、そんなにおたおたするんじゃねぇよ、みっともねぇ」

 そう言いながら、
 ナイアは、ゆったりとしたテンポで、
 リライトの目の前まで歩き、

「さっきも言った通り、本来の正史なら、お前にも、それなりに活躍したり、人間性を魅せつけたり、と、色々出番があったんだが、残念ながら、今回のルートにおいて、お前は、ただ死ぬだけだ。残念だったな」

 そう言い捨ててから、
 ナイアは、リライトの首を刈った。

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