センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

5話 ササ喰ってる場合じゃねぇ!


 5話 ササ喰ってる場合じゃねぇ!

 ヤマトは『ハスターを狙っている』というわけではない。
 ゲンの中に根付いた『ナイア』という化け物の指示に従っているだけ。

 ――だが、常識人であるリライトに、そんなことが分かるはずもない。
 だから、『納得のいく疑心暗鬼』のサンドバックになってしまう。

(ヒミコが、『計算の立つ人格者』であったならば、問題はなかった。これほどの才能。むしろ、ひれ伏したくなるほどの輝き。……しかし、こいつは、あまりにも壊れすぎている……これを王には出来ない……)

 リライトは『ヤマトの師』を担当したことがある。
 だから、知っている。
 彼女が人格破綻者であること。
 ――『破綻者の演技』をしている部分もあるが、
 しかし、全部が演技ではない。
 『普通に破綻している部分』もある。

 『単純に破綻している部分』が多い『欠陥人間』のくせに、
 『破綻している演技』まで組み込んでくるものだから、
 はためには、彼女が、終わっている人間に見える。

 ヤベェ連中しかいないカリスマアウトサイダーズ『ゴキ』の中でも、
 ぶっちぎり最凶最悪のキ〇ガイマイスターの称号を得ていた実績は伊達じゃない。

(ヒミコに世界の王を任せるなど、ありえない……)

 その結論に至ったのは、人類を背負った王として当然の帰結。
 だから、リライトは、ヒミコを封印することにした。
 クツグアの力をフルに使って、
 彼女から『地位と力』を奪い取った。

 ――しかし、今、『罪帝ヒミコ(ヤマト)』は、
 本来の姿を取り戻し、順調に成長しながら、
 その上で、全宮の中枢に取り入っている。

 リライトは、普通にビビっていた。
 雷におびえる子供のように、
 ただただ、ブルブルと震えている。

 だから、今日、ここにきた。
 罪帝ヒミコの成長を確かめるため。
 確かめた結果、彼女のスペックが、想像通りだった場合、
 『適切な対処』をするために。

 ――と、言った感じで、
 リライトと、ヤマトが、なんだかヒリついているこの状況。
 黙って見守るしかない周囲の面々。
 ロコも、ケムスも、ボーレも、
 普通に固唾をのんで、二人の話の流れを見つめていたのだが、


「うおお!」


 ふいに、一人の少年が、
 このピリついた空気を切り裂くように、
 なにやら大きな声を出して、イスから立ち上がった。

 その少年の名前はゲン・フォース。
 全宮ロコの剣を目指している6歳の少年。

「ど、どうした、ゲン」

 いきなり大声を上げて立ち上がるという奇行を見せたゲンに、
 ロコが、奇異の目を向けながら、そう言った。

 その質問に応えようとしたわけではないが、
 ゲンは、

「天童たち、ついに『プライマルメモリ・ヨグ』を殺しやがった……200年の壁を……ついに、超えた……」

 などと、一ミリも理解できないことを口にする。

「……はぁ?」

 当然、首をかしげるロコ。
 彼女の困惑をシカトして、
 ゲン――というか、
 『ナイア・ゲン・フォース』は、

「こうなれば、センは無限に積める。あいつのド根性を考えれば、200年どころか、その100倍ぐらいは余裕で積めるだろう……となれば……今回は、もしかしたら、カオスを超えて、レゾナンスに辿り着くかもな……だとしたら…………ササ喰ってる場合じゃねぇ!」

コメント

  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    ここに関しては、映像として見たいところですねwアニメや漫画だったら、だいぶ映えるところなのですが、文章だけだと、完全な面白みが伝わらない感じw

    1
  • 『天』

    ササ喰ってる場合じゃねぇ!

    画像送りたいwすごい画像送りたいw

    2
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