センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

1話 究極を名乗る厄災。

 1話 究極を名乗る厄災。

 ――目が覚めた時、
 センは、扉の前に立っていた。

「……はっ……夢か……」

 と、小ボケをかましてみると、
 後ろに立っていたシューリから、

「なワケないでちょう」

 と、まっすぐな言葉をちょうだいした。
 センは、周囲をきょろきょろと見渡してから、

「お前ら、どっかに違和感とかある?」

 そう問いかけると、
 最初にアダムが、

「私は問題ありません」

 と応え、続けて、ミシャが、

「私も問題はないようです」

 最後に、シューリが、

「嫌悪感と吐き気と、あと、サブイボがとまりまちぇん」

「それは、大嫌いな俺が近くにいるからか?」

「もちろん、その通りでちゅ。それ以外の理由などありえまちぇん」

「よし。いつも通りだな、何の問題もない」

 サラっと、シューリの精神口撃を流してから、
 センは、自分の手の中に握られている鍵を見つめた。

「……クトゥルフのカギ、ゲット。時空の門を開くために必要なカギは、あとは、2つ。クツグアのカギと、ハスターのカギ……」

 ボソっとそうつぶやいたセンに、
 シューリが、

「ん? 時空の門を開くために、その三つの鍵が必要って……なんで、わかるんでちゅか?」

「カン」

「……オイちゃんみたいなことを言いまちゅね」

「少しだけ丁寧に言うと、クトゥルフのカギを手に入れた時、頭の中に、その情報が刻まれた」

「一ミリもカンじゃないじゃないでちゅか。なんで、そこで、無駄に見栄はったんでちゅ?」

「女の前で見栄を張ることを忘れた男は男じゃねぇ。というのが俺のメソッドだから」

 などと、ファントムトークで世界を翻弄してから、

「まずは、現時点の時間を確認してから、ゼノリカの方に問題が起こっていないかチェック――」

 と、これからの行動について頭をまわしていると、
 ――そこで、





「……こっちの時間は、お前が、悠長にタイムリープしている間に、少しだけ経っている。そして、ゼノリカは、今、大変なことになっているぞ」





 後ろから、声をかけられて、
 センたちは、一斉に戦闘態勢を整えた上で振り返る。

 そこには、

「……久しぶりだな、ウムル。……あっちのお前とは、さんざん殺し合ったが、こっちのお前とは、2万年ぶりだ。なつかしいね」

 などと言葉で牽制をいれつつ、
 センは、オーラと魔力を練り上げていく。
 いつでも、マックス変身ができるように調律しつつ、
 シューリたちの盾にもなれるよう配慮していく。

 軽口の裏では、

(ゼノリカが大変なことになっている……か。こいつの言葉が、ただのハッタリではなく真実だった場合、遊んでいる余裕はない……瞬殺すべき……だが、できるか……こいつからは、以前のウムルとは違う『妙な雰囲気』を感じる……)

 などと考えているセンに、
 ウムルは、

「ちっちっち」

 と、ウザい仕草で指を振ってから、

「私はウムルじゃない」

「じゃあ、なんだ? スーパーウムルか?」

「違うね。私は、アルテマ・ウムルだ」

「……素のバージョンと、何か違うのか?」

 言葉を駆使しながら、
 センは、ウムルの一挙手一投足を観察しつくす。


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