センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

30話 これが! おれが身をすててまもろうとした人間の正体か!


 30話 これが! おれが身をすててまもろうとした人間の正体か!

「――『貢いでくる男』のことは虫ケラのように扱うが、『自分が貢いだホスト』のことは王子様のように扱う。特に、出来のいい女ほど、母性や支配欲や独占欲が強く、ダメな男を好む傾向にある)

「女、キモイぃい! ちゃんとした男だけ、好きになれよぉお!」

(男もたいがい、気持ち悪いと思うがな。女を選ぶ基準で『胸が大きければ、中身はどうでもいい』という男が、全体の30%を占めている)

「男も女も終わっていやがる! 人間、クソだな! 俺、このままだと、なんか、デビ〇マンになりそうだ!」

 センが、世の理不尽をなげいていると、
 ムーンビーストが召喚されたので、
 憂さ晴らしの神速ワンパンで処理。

 そのままの流れで召喚されたウムルも、
 サクっと処理。
 壊れたウムルも秒で処理したところで、
 センはかるく屈伸をしながら、

「さて……それじゃあ、気合いれていこうか」

 準備運動を終えたセンの前に、
 『センエースエンジン搭載型ウムル』が召喚された。

 強力な携帯ドラゴンを得た今のセンなら楽勝――
 というわけでは、もちろんない。
 難易度爆上げスイッチの特性は、
 『センが強くなればなるほど、敵も強くなる』というもの。

 さらに、携帯ドラゴンによって強化された分、
 センエースエンジン搭載型ウムルも強くなる。

 ウムルサイドも、普通に、

「アベル……来い」

 携帯ドラゴンを召喚して、

「トランスフォーム・モードディアベル」

 がっつりとトランスフォームをかましてくる。
 底上げされた強さは堅牢。
 悪魔を彷彿とさせる鎧。
 基本的には魔獣スタイルなのだが、
 どこかで、『戦闘タイプの昆虫』を思わせるフォルム。

 硬質な翼をはためかせ、
 ギラつく瞳でセンを射貫く。

 ――結果、死闘の泥試合。
 極限を超えた血みどろの殴り合いが続く。

(もぉお……このウムル、ウザいぐらい強いぃ……下手したら、死ぬぅ……だるいぃ……っ)

 『センエースの特性を受け継いだウムル』は、
 とんでもなく強い化け物で、
 わずかなダメージを与えるだけでも、めちゃくちゃ苦労する相手。
 そこに携帯ドラゴンの底上げまで加わっているので、
 普通に凶悪すぎる相手。

 ただ、センだって強化されている。
 アホみたいに積み重ねてきた。
 その質量が、ウムルに後れを取ることはない。

 これまでに積み重ねてきた全てを惜しみなく駆使するセン。
 実質的なフェイントに、精神的なフェイントを織り交ぜて、
 軽やかに相手の攻撃をいなしつつ、
 魂魄の死角を狙いすまして、


「理円(りえん)・絶華(ぜっか)・煉獄一閃(れんごくいっせん)」


 閃拳すらもフェイントに使い、
 ひそかに溜めていたオーラを、
 亜空間にセットしておいた図虚空に注ぎ込み、
 ウムルの中心を両断してみせた。

「はぁ、はぁ、はぁ……勝ったぞ、おらぁ……ナメんなよ、クソが……」

 普通に満身創痍になりながらも、
 センは、ウムルに勝利した。

 その結果、10000倍の経験値が、携帯ドラゴンに注がれる。

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