センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

6話 俺がシャツって言ったらシャツなんだよ。


 6話 俺がシャツって言ったらシャツなんだよ。

(彼女たちの憎悪を受け止めろ。その覚悟がないのであれば、もう、死ね。その程度の気概もないカスに世界は救えない)

(……クソ嘘つき野郎が……無駄に煽りやがって……)

 ギリっと奥歯をかみしめてから、

(……まあいいか……憎まれるだけでいいなら、あいつらとヤルよりは、全然マシだ)

 そう決断すると、
 センは、アウターゴッドを着込んで、
 存在感を爆上げさせる。

 その圧力を前にして、
 トコたちは、一気に、根源的恐怖を感じた。

 圧倒的な覇気。
 格の違う命の最果て。

「……なっ……あっ……」

 震えている彼女たちに、
 センは、

「――『共感性空間』――」

 特別な空間魔法を使い、
 彼女たちを閉じ込めた上で、

「――『俺がシャツって言ったらシャツなんだよ』――」

 暗示系のF魔法を使い、
 右手に『赤ん坊』を召喚した、と、自分に暗示をかける。
 その暗示を、他者に共感させる空間魔法を展開させているため、
 センの右手に召喚された赤ん坊は、センだけの妄想ではなく、
 彼女たちにも見えるようになる。

 実際には、ただ『赤ん坊を召喚した』と、センが暗示にかかっているだけ、という状況なのだが、その暗示を、彼女たちも共有するという、なんだか、よくわからない、トリッキーな状況。

 ※ ちなみに、このコンボは、ニャルの十八番であり、かつて、センが、第二アルファに転移した夢も、このコンボの応用である。

 その状況下で、センは、

(女に恨まれるのには、これが、一番効果的だろう……女に限定しなくとも、キレられるだろうけど。仮に、俺がやられたれら、おそらく、覚醒するレベルでキレる)

 こころの中で、そうつぶやいてから、
 その、本当は存在しない赤ん坊を、
 彼女たちにも、よく見えるように掲げて、

「1分以内に、俺を殺せなければ、このガキを殺す」

「きゅ、急に……なっ……なにを……いうてんねん……ちょ……やめぇてや、マジで……」

 全力で困惑しているトコに対し、
 センは、イラっとした演技をしながら、

「うるせぇえええ! ごちゃごちゃぬかすなら、いますぐ、殺すぞぉおおおおおおおおおおおおおお!」

 そう叫びながら、
 その赤ん坊の首をしめあげる。

 数秒間、大声で泣き叫ばせてから、
 口を封じる魔法を使って黙らせた――と認識してから、

「さっさとかかってこい、カスども! 俺を怒らせて、このガキを八つ裂きにされたいか! 言っておくが、俺は、世界中から、ガキを召喚できる! こいつを殺したら、また別のガキを召喚して殺す! それを見たくないというなら、俺を殺せぇえええ! まあ、てめぇらには、できねぇけどなぁあああ! はっはぁああああ!」

 豪快な叫び。
 悪役らしい高笑い。

 それにしても、このセン、ノリノリである。
 もしかしたら、ヒーローよりも、悪役の方がハマリ役なのかもしれない。

「っ……ぅ……」

 あまりに急展開すぎて、
 どうしても処理がおいつかない様子のトコを見て、
 センは、

「こないなら、こっちから行くぞ、ぼけぇ!」

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