センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

39話 アウターゴッドの知性。


 39話 アウターゴッドの知性。

「これで、ルールは把握できたはずだ。さあ、打つぞ」

 そう言いながら、もう一度、軽く指をパチンと鳴らしたロイガー。

 すると、目の前に、巨大な将棋盤が出現する。
 普通の将棋盤がおままごとに見えてしまうほどの、
 頭おかしいサイズの、でっかい将棋盤。

 ここまで、バカでかいサイズの将棋盤になってくると、
 中央付近のコマを手で動かすのは難儀になるが、

「手で動かさなくとも、念じれば駒は動く。さあ、誰からくる?」

 かゆいところに手が届く神のシステム。
 そんな、無限将棋盤を見つつ、
 トウシは、ロイガーに対して、ボソっと、

「……ワシの頭にもインストールしてくれたら、時間つぶしでエキシビションをする必要もないんとちゃう?」

「貴様は、公式戦の相手だ。公式戦では、ルールを覚えるところからスタート」

「……ああ、そう……」

「それに、ただのヒマつぶしではない。ハンデのひとつだ。貴様に私の実力を見せてやる。そのぐらいのハンデを与えないと、ゲームにならない可能性があるからな」

「……なかなかの自信やのう」

「アウターゴッドをナメるなよ、人間。9×9の81マスしかない小将棋すら解析しきれない貴様らとは、頭の出来が違うんだ」

「……ほーう」

「ちなみに、どうだ? そろそろ、10分の1ぐらいはルールを把握できたか?」

「いや、まだ100分の1ぐらいや」

「くく……まあ、それが人間の限界だろう。もちろん、人間の中では、かなり優秀な方だがな。この短時間で、100分の1もルールを把握できるやつは、そういない」

「……お褒めにあずかり光栄やねぇ」

 などと、二人が会話をしている間、
 黒木が、K5の面々に、

「えっと……誰が最初にやりますか?」

 と、戸惑いながらも、一番バッターの選抜をしていた。
 紅院が、

「じゃあ、様子見の捨て駒として、私がいくわ。穴熊戦法で、時間だけでは稼ぐから、相手のクセとかを見抜いてくれると助かる」

 そんな彼女のセリフに対し、
 ロイガーが、ニタニタ笑いながら、

(飛びコマが、桂馬しかない小将棋感覚で物事を語るとは、笑止千万。無限将棋では、長距離の飛びコマも山ほどある。周囲をコマの壁で覆うのは、身動きが取れなくなるだけの愚策。一瞬で殺してやる)

 心の中で、そうつぶやきながら、
 ロイガーは、紅院との対局にのぞんだ。

 ――紅院美麗VS覚醒ロイガーのエキシビションは、静かにはじまった。

 触れなくとも、念じるだけで動くコマ。
 ちなみに、無限将棋特有のルールで、持ち時間は、常に5秒となっている。
 5秒以内にコマを動かさないと、その時点で敗北。
 考える時間は無いに等しい。

 紅院は、とにかく、王の守りだけを考える。
 攻める気は一切ない。
 ひたすらに守って、守って、守って……

 気づいた時には、

「詰みだ」

「……あっ……」

 普通に負けた。
 わずか数手。
 時間にして98秒。

 あまりにも早い決着だった。


「無限将棋は、実力が拮抗した者同士で闘うと、決着まで数年以上を必要とする、莫大な根気が必須のゲームだが、実力差がある場合、こうして、一瞬でケリがつく」

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