センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

38話 本物の真理の迷宮。


 38話 本物の真理の迷宮。

「めちゃくちゃ強い上に、限定的とはいえ無敵とか……もう、えぐいな、おい」

「無敵ではない。『オメガバスティオン』ならば貫通できるし、単純に、私のデータ許容量を超える一撃は処理できない」

「……オメガバスティオン……聞いたことある単語だな……確か、ラスボスが、そんな名前をしていた気がする。気のせいかもしれんけど」

 と、ファントムトークで、この場の空気を自分寄りにしようと必死なセン。

 そんなセンに、彼女は、たんたんと、

「……『オメガバスティオン』という概念は、一言で言えば、『渇望の結晶』。『届かなかった者たち』が遺した『想い』の集合体。希望のカケラ。可能性の鍵」

「抽象的に喋んなっつってんだろ。俺は頭が悪いんだよ。フワフワした言葉で言われてもまったく理解できねぇ」

「理解など必要ない」

 そう言いながら、
 グリムは、グンとのびやかに加速して、
 センの目の前まで距離をつめると、



「――『メギドグリムアーツ・セイバーゼノリカレント』――」



 死神の芸術を魅せつける。
 体術の究極。
 彼女の全てを体現する一手。

「べへぇええええええええっっ!!」

 凶悪に重たい一撃をダイレクトにもらったセンは、
 豪快に吹っ飛んで、壁に思いっきり激突した。

「うっ……げほっ……ごほっ……」

 口から大量の血が流れた。
 全身が重たい。
 目がかすむ。
 頭がクラクラする。

「……いや……ぇと……強すぎん……?」

 ぼやけた視界の向こうにいる彼女に対し、
 センは、思ったことを、そのまま口にした。

「現時点の私は、数値的に、君を超えている。それだけの話だよ。たったそれだけの話。――だから、なんの意味もない」

 そう言いながら、グリムは、センの目の前まで歩いてきて、

 ガシっと、センの首根っこを掴み、

「この迷宮の管理者は、正式に言うと才藤零児で、私ではない。ここでは、私の本領を発揮できない。というわけで、私の『迷宮』にきてもらう。そこでなら、私はもっと輝ける」

「……もう十分すぎるほど輝いていますので……別の場所にいく必要は……ないかと……」

「まあまあ、そう言わずに」

 そう言いながら、グリムは、パチンと指をならした。
 シュンと、視界が一瞬だけ消えて、
 気づいた時には、
 真っ白な空間にいた、

「……ここは……?」

 疑問符を抱いたセンに、
 グリムはたんたんと、

「本物の『真理の迷宮』。才藤零児が作成した迷宮からヒントを得て、私が一から作成したエクストラステージ。その最奥――に、隣接している隠し部屋。いわば、デバッグルームみたいなものかな。開発者である私だけが入れる特別な空間」

「……はぁ……」

「ここでなら、私は、より一層、強く輝ける」

 そう言いながら、
 グリムは、腹の底に力をこめた。

 厳かな雰囲気が増していく。
 ググっと、空間全体の圧力が増した気がする。


「――超虹神気――」


 神々しい虹色のオーラに包まれるグリム。
 先ほどまでの段階で、すでに、けた違いの強さだったが、
 さらに、重たく、強くなる。

「……ここでなら、私は、少しだけ自由になれる」

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コメント

  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    零児に共感……それは、つまり、なかなか、ツワモノの学生生活を送ったということでしょうか……
    もし、そうだとすると、私も、共感してしまいますねぇ。もちろんですが、私の人生にも、パラノイアはいませんでした。いや、まあ、あのレベルのパラノイアだったら、いない方がマシかなぁ、と普通に思ってしまいますがw

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  • 『天』

    と言っても主人公たちの中で一番共感できるのは今のところ零児なんですけどね。僕の人生にパラノイヤはいなかっただけで

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