センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

4話 最高位異常者との邂逅(かいこう)。


 4話 最高位異常者との邂逅(かいこう)。

(才藤のやつ、あの銃崎とかいう女のことを、『とんでもない目』で睨んでいるな……完全に不審者だ。俺がただの一般市民だったら、全力で通報しているところだぞ)

 かなり偏見も混じっているが、
 しかし、実際のところ、才藤の『銃崎を見る目』は、普通ではなかった。


 センの視線の先で、才藤は、『この世の全てを憎悪しているようなサイコ極まりない顔つき』で、『掃いて捨てるほどいるモブ』の群れに埋もれて窒息しそうになりながら、自分のクラスに向かっている。


 それに続くセン。
 ゴールは、第十二校舎の六階。
 第五校門から三百メートルほど先にあるマンションみたいな高層建築物。

 センと才藤が通っているこの高校の名は、桐作学園高等学校。
 少子化の現在でも一万人近い生徒が在籍している、日本一のマンモス高校。

(しかし……この学校、広いな……時空ヶ丘学園も頭おかしいが、この学校も、同じぐらいイカれている……なんで、どの世界の俺も、変な高校に通ってんだ……もっと、まとも高校を選んでくれよ……イカれた厨二じゃねぇんだからよぉ……)

 どうにか校舎に辿り着いてもまだ苦行は終わらない。

(階段、うざ……もういい、瞬間移動しよ……)

 心の中でそうつぶやきつつ、
 センは、校舎の外に出て、裏手にまわり、
 ササっと周囲に人目がないことを確認してから、

 最上階の踊り場まで瞬間移動して、
 そこから、ゆっくりと下に降りる。

(アウターゴッドを重ね着している俺は、一般人と同じ苦労などしないのだよ、はっはっは)

 などと、心の中で優越感に浸っているセン。

 優雅に階段を下りていると、
 そこで、


「……あれ? そこの君、10秒ぐらい前まで、外にいまちぇんでちたか?」


 ボリューム満点の煌く金髪。
 キラッキラの鬼メイク。
 全身からアホを放出している、非常に頭が悪そうなギャルがニタニタ笑いながら、謎のステップを踏みつつ近づいてきて、

「外から、ここまで、どんなに頑張っても1分以上は、余裕でかかると思うんでちゅけど? んー? あれー?」

「……」

 センは、普通に動揺しつつも、
 彼女の顔を見て、心の中で、

(……茶柱に似ているな……)

 と、つぶやく。
 ちなみに、同時刻、
 天童も、心の中で、

(佐々波に似ている……)

 と、つぶやいていたが、
 誰に言うでもない言葉だったので、他者の耳には届いていない。

 ――両者が、他の女の事を考えていると、
 そこで、酒神が、小首をかしげて、

「もしかして、君、瞬間移動とか使えるんでちゅか?」

 などと聞いてきたものだから、
 センは、一瞬だけ、頭の中で、

(もっと慎重に動くべきだったなぁ)

 と、後悔の言葉を並べてから、
 ゴホンと、セキを一つはさみ、

「……見間違いじゃないですか? 俺みたいなモブ顔はどこにでもいますからね。正確に見極めるのは至難の業かと」

「こんな重度のへちゃむくれ、そうそういないと思いまちゅけど?」

「……重度のへちゃむくれって、どういう状態?」

 そんなセンの疑問符を華麗にシカトして、
 彼女は、

「瞬間移動は、どこでマスターしたんでちゅか? やっぱり、ヤードラ〇ト星人に教えてもらったんでちゅか?」

「……瞬間移動なんて使えませんよ。単なる、あなたの見間違いです」

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