センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

最終話 終わった世界で。


 最終話 終わった世界で。

 天童は、

(コスモゾーンに触れた今の俺なら、少しだけ理解できる……たとえるなら、ボーナス値の振り直し……もしくは、ガチャのリセマラ……それは、すなわち、妥協を許さない最強への渇望……命の丘の向こう側を求め続けた執念)

 心の中で、

(破格の回数を積んだとはいっても、しょせんは、ポテンシャルの厳選回数でしかない。その先でどう仕上がるかは、また別の話。だが、スタートの厳選で、『それだけの地獄を積んだ』ということは、『それだけの覚悟を決めた』ということであり、かつ、『それだけの覚悟を背負えるだけの器がある』ということ。17兆を超える試行回数……もし、『それほどの覚悟』ですら『届かない』というのであれば、もはや、何をしても届かないという証明になる……)

 そうつぶやきつつ、
 しかし、センに対しては、

『……もちろん、気のせいだ』

 サラっと嘘をついた。

 天童が嘘をついていることを理解した上で、
 センは、軽くため息を一つ挟んでから、

「ああ、そうかい。……ところで、一つ聞いていいか?」

『なんだ?』

「いや、まあ、そんなことはないだろうとは思うんだが……しかし、一応、確認したくてな」

『だから、なんだ?』

「……この世界、終わってない?」

 ソルをしりぞけた後の世界は、
 とても空虚というか、
 正確な無音で、
 むしろ、逆に耳が痛い。

 『何もない』と感じてしまう無為な光景。
 焼け野原ですらない無の領域。

『……ああ、もちろん、終わっている。どうにか、トコたちだけは守りたかったんだが、結局、全部壊されてしまった。もはや、この世界には何も残っていない』

「……あ、やっぱり……えっと、それで、元に戻せるのか? ドラゴ〇ボール的なアイテムで、『全部、もとに戻して』みたいな感じのことは可能なのか?」

『不可能だ。この世界は、すでに終わっている。どうしようもない』

「……え、いや、ソルを殺さないと終わるって言ってなかった?」

『あれは嘘だ』

「……じゃあ、なんで、お前、ソルと闘っていたの?」

『家族を殺されたんだ。殺し返さないと気がすまないだろ。もはや、どうにもならないと分かっていたとしても、そんなことは知ったこっちゃない。俺は俺の復讐を果たした。それだけの話だ』

「……あ、そう……」

 呆れた感じにそうつぶやいてから、
 センは、

「おい、ヨグシャドー。俺は条件を満たしたのか? それとも、何かミスっていて、もう一回、この世界でやりなおすのか?」

 そう声をかけると、
 図虚空が召喚され、その中にいるヨグシャドーが、

「天童の性能が、思いのほか優れていたな……本来であれば、この世界で、5~60回ほどやり直す予定だったのだが……」

「なんか、とんでもないこと口走ってやがんなぁ」

「この調子だと、厨二迷宮の世界でも、一撃クリアできるかもしれないな」

「さらに、とんでもなく不穏なことを口走っていやがる……おい、ヨグシャドー。俺の質問に、いい加減、答え――」

 詰め寄ろうとしたところで、
 ヨグシャドーは、
 有無を言わさず、

「銀の鍵よ。センエースは、まだ頑張れる」


 そんなことを口にした。
 すると、センの『懐に隠されていた銀の鍵』が、
 パァアっと輝き始めた。

 その光を見たセンは、

「ちょ、おまっ……勝手に――」

「こんな、すでに終わった世界に長居しても意味はない。さっさと、次の世界で、貴様の可能性を示せ」

「おまえ、マジでいい加減――」

 とにかく文句をいわないと気がすまないセンだったが、
 しかし、意識がスゥっと途切れてしまった。

コメント

  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    なにをいまさらw 基本的に、ずっとおかしいです(*´▽`*)

    0
  • 『天』

    なんだこの作品

    頭おかしいで

    1
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