センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

101話 この上なくイカれた執念。


 101話 この上なくイカれた執念。

「ぶっはぁああああああああああっっっ!!」

 白目をむいて、血を噴出したソル。

「……ぶほぉ……わ、私が……壊れる……これは、おかしい……この程度で……私が壊れるわけ……」

 フラつきながら、
 ソルは、自分をぶん殴ったセンを睨み、

「この時空の……命ではない……いつの……まさか、未来か……そうだな……わずかに、その因子を感じる……そうか……未来には……これだけの可能性を秘めた主人公が……ぐほっ……」

 意識が薄れていく中で、
 しかし、ソルは、まっすぐにセンを見つめて、

「これだけ大きい可能性……となれば……『同じ時空にいる私』も……『相当に大きい』だろう……」

 ついには、ばたりと倒れこんで、

「貴様が……とても大きい可能性を持つのは分かった……しかし、私は、なぜ壊れた……この程度で壊れるほど……脆くは……」

 そこで、ソルは、
 『センの中心』を覗き込む。
 すると、

「……っっ」

 ソルは思わず、限界まで目を見開いて、
 ぽかんと、マヌケに口を開き、

「……じゅ……17兆……7777億……6555万……3321回……だと……な、なんだ、この数字……なんだ、この……異常な数字は……」

 クラっとする。
 深い眩暈(めまい)。

 頭がおかしくなりそうな数字。

「まさか……それほどまで……そ、そこまでしないと……無理なのか……」

 深い絶望を感じているソル。
 だが、

「……それほどまでの回数に……耐えられる器など……存在するのか……」

 そこで、ソルは、あらためてセンを見つめた。
 『センの奥』ではなく、
 『センそのもの』を見つめる。



「……すごいな……そうか……すごいな……お前は……」



 そこで、センは、小首をかしげて、

「なにが?」

 と、たずねてみた。
 しかし、ソルは、センの問いには答えず、

「……天童も……相当な器なんだが……それでも……60032回だ……それでギリギリだった……」

「だから、なんの話をしている? それは何の数字だ?」

「敬服するよ……ドン引きしたと言ってもいいが……なんにせよ……がはっ……」

 さらに、濃い血を吐き出すと、
 ソルは、

「貴様なら……超えられるかも……しれない……というより……貴様でも無理なら……もう無理……だな……」

 最後にそう言い捨てると、
 そのまま、スゥっと、世界に溶けていった。

 世界に溶けていくソルを見つめながら、センは、

「一ミリたりとも、何言っているか、わかんなかったな……」

 ボソっとそうつぶやく。

 そんなセンに、
 天童が、テレパシーで、


『礼を言う。センエース。おかげで、家族のカタキを討つことができた。心から感謝する』


「……天童、お前、ソルが言っていたことの意味、少しでも分かったか? 17兆がどうとか、6万がどうとか、なんか、色々と数字を言っていたが」

『……いや、まったく。興味もない』

「なんだか、含みのある間があったような気がするんだが、気のせいか?」

『……』

 天童は、含みのある間をとりながら、
 心の中で、

(コスモゾーンに触れた今の俺なら、少しだけ理解できる……たとえるなら、ボーナス値の振り直し……もしくは、ガチャのリセマラ……それは、すなわち、妥協を許さない最強への渇望……命の丘の向こう側を求め続けた執念)

「センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く