センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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78話 自分ルールは厳守する無慈悲な閃光。


 78話 自分ルールは厳守する無慈悲な閃光。

 包み隠さず、自身の現状と、この世界の天使について、
 知っていることを全て語ったザリンギ。
 その結果、センは、この世界に関するだいたいのことを理解した。


「――仙草学園の実態は、天使の養成施設だと……なるほど、なるほど」


 うなずきながら、自分の中で、会得した情報を整理しているセンに、
 ザリンギは、

「――私の知っていることは全て話した。もう、二度と、この世界に侵攻してこないと誓う。だから、見逃してくれないか。頼む」

「……本来の俺は、そういうムシのいい話を許さねぇ。自分勝手に他者を襲っておいて、ヤバそうになったら、謝って命乞い? それは道理が通ってねぇ。テメェがやらかしたことの責任は、テメェ自身でとってもらう――というのが、俺の基本的な主義主張なんだが……しかし、こと戦争になると、少しだけ話が変わってくる」

 センは、ダラダラと前を置いてから、

「……お前の誓いを、俺は一度だけ信じる。一度だけだ。裏切ってもかまわないが、その時は、もう交渉は絶対に出来ないと理解しろ。元の世界に帰り、二度と、この世界に関わらない。その盟約を遵守するのであれば、俺は、お前らの世界に対して何もしない。しかし、誓いをシカトして、この世界に、ほんの少しだけでも干渉してきたら……その時は、お前らの世界を全滅させる。全員、殺す。その状況になったら、俺は躊躇しない。罪には罰をあたえるのが俺の流儀。罰が嫌なら、善良に生きていればいい。清く正しく生き続けるのであれば、何かあった時、手を貸してやらなくもない。が、罪を犯したのであれば、必ず、相応の報いを受けさせる」

 とうとうと、まっすぐに、
 自分の主張をザリンギにぶつける。

 誤解のないように。
 齟齬が生じないように。

 センエースは、丁寧に、自分の覚悟を伝えていく。

「テメェらは、戦争を仕掛けてきたんだ。そうなったら、もう、シャレじゃすまねぇ。本来なら、すでに、てめぇらの世界は皆殺し確定なんだが……一つの世界を殲滅するなんざ、普通に、しんどいし、めんどいから、一旦は保留にしてやる。ただし、保留にするのは一度だけだ。俺は『お前らが裏切った』と認識した瞬間に、お前らの世界を滅ぼす。徹底的に破壊し尽くす」

 執拗なほどに、
 センエースは、自分の流儀を並べていく。

「この世界には俺がいる。誰も手出しはできねぇ。手を出すべきじゃねぇ。――理解できたか? なら、さっさと帰って、その事実を伝えろ」

 許しを得たザリンギは、
 クドラと共に、
 すごすごと、しっぽを巻いて、
 自分の世界へと帰っていった。

 少しだけ静かになった世界で独り、
 センは、天を仰いで、深呼吸を一つ。

「ふぅ……はぁ」

 肺に酸素が染み渡っていく。
 血に乗って、脳の方にも回っていく。


「ヨグシャドー。これで、条件達成か? それとも、まだ他にも何か?」


 問いかけると、
 それまで、ハンパに沈黙を保っていたヨグシャドーが、

「条件の一部、達成だ」

 などと言ってきた。

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