センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

71話 基本的には卑屈な閃光。


 71話 基本的には卑屈な閃光。

(いやぁ、しかし、こいつ、ほんと、ガタイいいな……こいつと比べたら、俺のモヤシ感が際立つな……腹立たしい。どっかいってほしいねぇ。死んでほしいとまでは思わないけど、俺の横には立たないでもらいたい)

 別に、『でかいマッチョ』になりたいわけではないが、
 『高身長でゴリゴリの肉体』を見せつけられると、
 普通に『自分ってダメな体だなぁ』と卑屈になってしまう。

 この奇妙な劣等感は、この場のセンに限った話ではなく、
 男ならば、銭湯やプールなどでは、よくみられる一般現象。

(つぅか、こいつ、よくみたら、左手首に十字架をまいていやがる。カッコつけやがって。嫌いだねぇ。調子に乗っているイケメンは、全員、死んでいいねぇ。この手で殺そうとは思わんけど、事故等で死んでくれる分には、全然、問題ないねぇ)

 天童久寿男は、『イケメン』と呼べるほどの整った顔はしていないが、
 しかし、センの視点だと、
 『最低限以上の顔』をしている『高身長の男』は全員、
 妬み・嫉みの対象なのである。

(仮に、こいつが、俺の目の前で、助けを求めてきても、俺は、スルーするだろうねぇ。俺が聖人だったら、あるいは助ける可能性もゼロではないが、しかし、残念ながら、俺は聖人ではなく、ただの量産型汎用一般人だからねぇ)

 などと、クソだせぇコトを思いつつも、
 センは、そこで、

(……つぅか、この十字架……ウチの寮生、みんな、つけているような……)

 ぬるりと思い出してきた記憶。
 勘違いなどではなく、事実として、
 センが住んでいる寮に在籍している学生は、
 大概、手首にロザリオを巻いている。

(あれ? もしかして、あの寮って、カトリックしか入れない的な? ……じゃあ、なんで、俺は入れているんだ? 俺は、バリバリの無宗教家なんだが……)

 などと思っていると、



 『仙草学園前~ 仙草学園前~』



 電車が止まって、ドアが開いた。

 朝のラッシュ時にだけ流れる駅員のアナウンスを聞き流しながら、
 センは、軽くアクビをはさみつつ、
 電車を降りて、学校へと向かう。

 天童と並んで歩くのは、なんか気まずくて、イヤだったので、
 軽く早足で駅の中を練り歩く。

 すると、元々早足の天童と、速度がちょうどかぶってしまい、
 意図せず、仲良く同じテンポで歩く二人が完成する。

(どわぁ、歩調がカブったぁ)

 そのウザすぎる現象を前に、
 センは、テンポを変調させるべきか悩んだが、

(ここで速度を上げたら、対抗しているように見える。とはいえ、遅くしたら、日和ったように見えなくもない……)

 などと、クソどうでもいいことに悩んでいると、
 そこで、


「おはようございます。中佐」


 後方から声が響いた。
 あきらかに『自分(セン)に向けられている声』ではなかったが、
 しかし、センは反射的に視線を向けてしまう。

 ――そこには、
 ふわふわとした雰囲気の、
 いわゆる『男子人気が高そうな女子』がニコニコ顔を天童に向けていた。

 一定以上に整った顔と透明感。
 パっと見の印象では、抜け目のないアイドルといったところ。

(……今、『ちゅうさ』って言ったか? 『ちゅうさ』ってなんだ……? 天童って、下の名前、『ちゅうさ』だっけ? 違うかった気がするんだが……)

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コメント

  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    小説なら、いくらでも頑張れる私ですが、SNSとの闘いは、不得手のようで、なかなか腰が上がらない感じですねw

    0
  • 『天』

    さーて物語が序盤に進みかけてきたところでそろそろTwitterの毎時ツイート気張ってこうぜ!

    1
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