センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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66話 天使の忘れ物。


 66話 天使の忘れ物。

「ジブン、ホンマにエグいほど強いなぁ……ドン引きを通り越して、ゲロ吐きそうや。マジで、ナニモンやねん」

 そんなトコの発言を受けて、
 センはしぶい顔で、

「お前さぁ……仮にも、世界最高峰の美少女なんだから、身なりや化粧だけじゃなく、発言にも、シッカリと気を使おうぜ。『ゲロ吐きそう』とか、そんなセリフ、どんな状況であれ、美少女は言っちゃダメなんだよ。男子高校生の夢と希望を砕くなよ」

「調子に乗っとる男子高校生を叩き潰すんが、女子高生の仕事やとか言うてなかったっけ?」

「女子高生には、たくさんの仕事があるんだよ。チョケた男子を叩き潰すのもそうだが、異性に夢を抱いているメルヘンな童貞たちに綺麗な幻想を見せるのも、また、女子高生の仕事だ。いずれ、俺達、バカな男子高校生だって、女も人間だってことに気づく。けど、気付いてしまって以降よりも、気付く前の方が、基本的には楽しい。大人の階段を駆け足で上ったところで、待っているのは疲弊した現実だけだ」

「……ジブン、何歳やねん。くたびれたオッサンみたいなこと言うなぁ」

「何歳……えぇと……今周で、何歳になるのかなぁ……」

 指折り数えながら、
 自分が生きてきた時間をたどってみるが、
 しかし、途中でダルくなって、

「まあ、そんなことはどうだっていい」

 ピシャリと切り捨ててから、

「まあ、とにもかくにも、女子高生は、基本的に、綺麗な幻想力全開で、無駄にキラキラしていてくれ。というわけで、今後、発言には十分、気をつけるように。お前の主食はイチゴだし、体重はリンゴ三個ぶんだし、当然のようにゲロなんて吐かないし、汗もかかないし、ミミクソもハナクソも出ないし、トイレにもいかない。それでよろしく」

「……いや、まあ、そう思いたいんやったら、好きにしてくれてもええんやけど……てか、普通に、そっちの方がキショない? トイレいかんのやったら、体の中に、糞尿がたまっていくだけなんやけど?」

「はい、そこ! 美少女にあるまじきワードを口にしない! 糞尿だなんて、はしたない! そこは『天使の忘れ物』と表現しなさい!」

「……いや、だから……そっちの方がキショいて……」

 普通にドン引きしながらそうつぶやくトコ。
 その横から、茶柱が、

「やれやれ、まったく、センセーは、幻想力が足りないにゃぁ。まあ、でも、美少女力がハンパなトコてぃんで妄想する分には、そのへんが限界なのかもにゃぁ。ちなみに、ツミカさんの美少女ランクは、トコてぃんを置き去りにしているから、当然、幻想力も遥かに上だにゃ。具体的に言うと、人を凄惨に惨殺しても、背景はバラ色だし、幼稚園を爆破しても、天使のファンファーレが鳴り響くにゃ。これが、ツミカさんの美少女力! これほどまでの圧倒的実力を見せつけられてしまえば、ツミカさんを『推し』にせざるをえまい!」

「……うん、そうだね、よかったね」

 しんどそうな顔で、ツミカさんのマシンガンブローを受け流すセン。

 基本的には『攻め』のスタイルで、
 持前のキ〇ガイ力を爆発させていくセンだが、
 彼女の前では、いつだって、防戦一方。

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