センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

18話 1000周やって、けれど……


 18話 1000周やって、けれど……

 比較してみると、『素のステータス』が、ずいぶんと心もとなく感じるが、基礎ステータスが虫けらのまま、アイテムだけ強くなっても、アイテムに振り回されるだけに終わってしまう。

 それに、基礎値がカスのままだと、
 アイテムにナメられてしまうので、
 『装備者への愛』がなかなか上がらない。

 『装備者への愛』とは『装備者に対する敬意』の最終到達点。
 装備者がカスのままでは、敬意は抱けない。
 敬意を抱けなければ愛は育まれない。
 結果として残るのは、アイテムに刻まれた数値だけ。

 それでは、器になれない。

 極限状態で重要なのは、運命をねじふせる『底力』であり、
 『表層だけ』の『カラっぽなハリボテ』に価値はない。

 ――現状、センのステータスは、
 『最低限』の数値にはなっている。
 『エゲつない戦闘力』と合わせて、
 『強大なアイテム』を扱う器にはなれている。

 つまり、センは、ハンパないほど強くなれた。
 必死に、真摯に、全力で積んできた『センの全て』が、
 今、
 センの『器』に、『底力』に、『確かなシルエット』に、
 ――なってくれている。

 だが、


「……これだけ強くなったのに……まだ……だと……」


 ここまでくれば、
 クトゥルフ・オメガバスティオンにも勝てるだろうと思い、
 ニャルに、居場所を聞きにいったが、

「いやいや、普通に全然たりないよ。嘘だと思うんなら、ためしてみる?」

 と言われ、召喚されたクルルー・ニャルカスタムと戦ってみたところ、
 普通に、ボコボコにされてしまった。

 もちろん、
 これまでの積み重ねによって、
 だいぶ強くはなっているため、
 『まったく手も足もでないか』と言うと、
 それもまた違う。

 ちょこちょこ、ダメージは与えられているし、
 たまに、相手の攻撃が見えることもある。

 しかし、その辺が限界で、
 まだまだ、両者の間には、明らかな格差があった。

「ほらね?」

「同じ一週間を……1000周も……繰り返してきたんだぞ……年数にしたら、もう……20年ぐらい、ひたすらに、自分と向き合ってきた……なのに……まだ、足りないのか……」

 絶望するセンに、
 ニャルは、

「最低でも、50年ぐらいは積まないと、さすがに勝てないんじゃないかなぁ、知らんけど」


「ごじゅ……」


「かなり少なく見積もって50年ね。実際のところは……どうだろう……わかんないけど、もっといるかもね、知らんけど」

「……」

「さて、さて、それで、どうする? 1000回やってもダメだったワケだけど、ここから、君は、どうする? 『アウターゴッドをどうにかする数字』としては足りないというだけで、実際のところ、『同じ一週間の1000周』は、普通の人間なら、とっくに頭がおかしくなっているキチ〇イボリューム。普通なら、これ以上は頑張れない。普通なら折れる。というか、『常識』を基準に置くなら、とっくの昔に折れて廃人になっているのが普通」

 心底楽しそうに、
 けれど、どこか、驚くほど真剣に、

「――それだけの絶望を抱えて……それでも、まだ足りないと言われて……それで、君はどうする?」


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コメント

  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    すごく嬉しい(*´▽`*)天さんに、この作品を好きになってもらえて、本当によかった(*^-^*)レビューを書いていただけるというのも、当然、すごく嬉しいですが、この作品の本質を理解していただけているのが、何よりもうれしい!1000回やってダメなら1001回やろうというのは、口だけなら、いくらでも言えるのですが、実際に1000回の失敗を前にするとひるんでしまいます。そのリアルな「重さ」と向き合い続けている主人公の軌跡を、これからも追っていただけると幸いです!

    0
  • 『天』



             〈* *〉

            [*****]

        [* * * * * * *」

    「――/\**【【ヒーロー見参!】】**/\――」

        [* * * * * * *]

            [*****]

             〈* *〉

               :

               |




    というイチオシレビューを小説家になろうに書いてこようと思うのですがいかがでしょう?

    1
  • 『天』

    万人に好まれる作品など出来はしない。だからセンエースがつまらないと思う人もいるかもしれないし本質を理解できている人など僕を含めていないのかも知れない。何故なら『あり得ないから』だ。どんな絶望でも諦めないヒーローは確かに凄く、それでいてそうあるべきではある。けれど無理なんだ。人はそんなには強くなれない。センは第一アルファ人でなろうを見てる地球人は『バッドエンドをリアルだと思ってしまう』かも知れない。なら!違う次元のキャラだから俺らとは違うからと弱さを叫ぶなら!同じ地球人でも弱さを殺して。それでも!と叫び続けている祝百万部を見て欲しい。この作品はただのキャラがあり得ないことをしているだけじゃない。諦めたくないと想う覚悟を単なる創作物と思っちゃいけない。皆が笑って過ごせる明るい未来を目指して。
    さぁ皆さんご唱和下さい!

    1
  • 『天』

    神F章19話で神C章69話と29話のフラグ(?)が回収されていたでしょう。

    1000回やって無理なら1001回やろうって有名なテニス選手が言っていたようないなかったような

    決してセンエースは強い主人公な訳じゃない。始めから暴風竜と仲良くなったスライムでもスマートフォンを神様に改造されたという話のような強い力を『創った』訳じゃない。センエースは。『全ての絶望を絶望させるヒーロー』は。欲しいと願ってポンッと叶った訳じゃない。『命の希望』を求めた者が必死になって覚悟を積んだ。『絶望を絶望させるヒーロー』のために自ら絶望と向き合って願いを届かせようとした者がいたから。だから!『ちっぽけな命の欠片』は折れることなく勇気を叫び続けているんだ。

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