センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

21話 引けない理由。


 21話 引けない理由。

「聞こえているか、スーパーセンエース。もしもし、スーパーセンエースさん、もしもーし!」

 センのウザ絡みに対し、
 スーパーセンエースは、心底鬱陶しそうな顔で、

「……うざぁ……」

 ボソっと、ガチ声をこぼしてから、

「……俺、お前、嫌いだなぁ」

 と、本音を爆発させると、
 センも、ダルそうな顔で、

「奇遇だな。俺も、同じことを考えていたよ。何がどうとは言えんけど、お前は、そこはかとなく、顔がムカつく」

 などと、お互いに、自己嫌悪を晒し合ってから、

「……」
「……」

 いったん、間をはかるように、
 お互い、無言で、空気を整える。
 驚くほど静かになる世界。

 ――そこで、いったん、ギャグの時間はなりを潜める。

 センは、
 スーパーセンエースを睨みつけ、


「……お前、本当にすごいな、スーパーセンエース。正直、勝てる気がしねぇ……」


「まあ、お前に負ける気はしないが」

「……えげつない深み……神の王を名乗るだけのことはある、と素直に思える」

 そこで、センは、スーパーセンエースをジックリと観察する。
 見れば見るほど、整っている。
 顔面の形状は、なんか腹立つが、しかし、オーラと佇まいだけは、
 素直に、『命の最果てにある』と感じた。

「スーパーセンエース……あんたは、確かに、神の王だ。オーラが違う」

「まあな。『スーパーセンエース』って言葉はただのギャグだが、『神の王』って地位は、酔狂じゃ名乗れねぇ。それなりの覚悟と中身がねぇと、ここまでの大見栄は、なかなか切れねぇ」

「あんたはすごく強い。俺にはわかる」

 そう、前を置いてから、
 センは、

「けど……ソレを、理解しているからこそ、ここでは、引けない。ひいてはいけないと、俺の全部が叫んでいる」

 結論を口にした。
 ゆるぎないと分かる覚悟。

「正直、シッポをまいて逃げ出したいが、けど、それは許されない。俺は、あんたと、正面きって対峙しなければいけない……」

 そう言って、センは武を構えた。
 その様子を見て、スーパーセンエースは、

「しなければいけない……か。特殊な『感性』と『言い回し』だな。ちなみに、なぜ、そう思う?」

 純粋な疑問を投げかけてきた。
 センは、頭を悩ませる。
 何を言おうか迷ったのではなく、
 どういうべきかを悩んでいる顔。

 数秒を思案に費やしてから、
 おずおずと、

「ここで引いたら、俺は、一生、あんたを夢見るだけに終わる気がするから。明確な理屈がどうこうのお話じゃない。単純な感覚の話。けど、俺は、基本、感覚派だから、感覚こそ、もっとも大事にしないといけない。時には、理論をシカトして、感覚と感情にオール別途すべき。それが俺の考え方だ。……自分で言っておいてなんだが、アホの考え方だな。失敗するヤツのダメ思考に思えてならない。俺、ほんと、頭悪いな。勘弁してほしい」

 センのマシンガン自虐に対し、
 スーパーセンエースは、

「……」

 まっすぐな視線を向け続ける。
 まるで、センの深淵を覗いているよう。

 深淵をのぞく時、
 深淵もまた、自分をのぞいている。

「センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • 閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

    「うっ、頭が」要素満載の現状w
    この辺の「本当の答え」が、真に明かされる日は、
    まだまだ遠そうです(*^-^*)

    0
  • 『天』

    クトゥルフ・オメガバスティオン...
    スーパーセンエース...
    うっ、頭が(デジャブ)

    1
コメントを書く