センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

1話 A型センエースは自由になる。


 1話 A型センエースは自由になる。

 ケタ違いの異次元砲でセンを抹殺した『彼女』は、

「……どうせ、これで終わりはしないのだろう? 貴様らパチモンの鬱陶しさなら知っている。カス以下のパチモンとはいえ、モデルが『主上様』ともなれば、そのスペックは、どうしても、破格になる……そんなことは、知っている。だから、油断はしない。徹底的に殺す。殺して、殺して、殺して……それでも足りないなら、また殺す。完璧完全に消滅し切るまで、徹底的に、決定的に、殺し尽くしてやる」

 ピリついた雰囲気で、
 視線をさまよわせる。

 そんな彼女の視線の先で、
 チリチリと、粒子がまたたいた。
 跡形もなくバラバラになったセンの『影』たちが、
 ミチミチと音をたてて、また一つに戻ろうとしている。

 その空気感を肌で感じたアダムは、
 『でしょうね』とでも言いた気な顔で、
 軽く、首と肩をまわしながら、


「……ほら、きた……絶対に、くると思っていた。貴様ら、パチモンが、そう簡単に死ぬわけがないと、私は知っていた」



 そう言いながら、オーラを練り上げていく。

 『A型センエース1001号』を確実に排除するため、
 いっさいの油断を排除した『完全集中モード』に移行する。


「無限転生・改か? それとも、無限蘇生・改か? どんなクソチートをもっているか知らんが……なにを持っていようと、関係なく……徹底的に殺しきってやる」


 覚悟を口にする。
 そんな彼女の視線の先で、
 チリチリとまたたいていた粒子の影たちが、
 グググっと、寄り集まって、
 しだいに、人型のシルエットを創り出していく。

 ほんの数秒で、
 そのシルエットは、
 質量を持った命へと変換されていく。

「……ぷはぁ」

 そこに現れたのは、
 完全に目がイってしまったセンエース。

 センは、自分の胸部に手をあてて、

「……消えている……」

 ボソっと、そうつぶやいた。
 そして、ギニィと、強めの歪んだ笑みを浮かべて、

「生まれた瞬間から、ずっと、俺の全部を縛っていた、鬱陶しい『しがらみ』が……今、死んだ……は、はは……やった……やったぞ……やった……よっ、よっしゃぁあああああああ!」

 歓喜の叫び声をあげるセン。
 両手の拳を掲げて、天を仰ぎ、
 全力で、心からの喜びを表現する。

「……ぐ、ぐひひ……感謝するぜ……おかげで、リミッターが完全にぶっ壊れた。壊してくれて……ありがとう……ぎひひ」

「主上様に似た顔で、気色の悪い笑みを浮かべるな、クソが。不敬きわまりない」

「おいおい、そんなゴミを見るような目はやめろよ。せっかくの美人が台無しだ。スマイルでいこうぜ、スマイルで。俺は、お前の笑顔が見たいなぁ。お前の笑顔を見ると、きっと、俺は、ハッピーになれる……そんな気がする」

「……なぜ、貴様のようなカスをハッピーにさせるために、私が笑みを浮かべなければいけない? まったく道理が通っていない。キショすぎて吐きそうだ。おぞましい。ヘドで溺れそう」

「ぎひひへへへ! 気が強いねぇ。そういうところも、嫌いじゃないぜ。俺の趣味にあっている! お前は俺の女にふさわしい」


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