センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

91話 次から次へとつながる絶望。


 91話 次から次へとつながる絶望。

「……両手を合わせてお祈りして以降の『てめぇらの闘い』は、一般的なソレとは、一線を画している。俺にはわかる。お前らは、ワンランク上の『武術』を使っている」

 センは、首をぽきぽきと鳴らしながら、

「しかし、お前らは、その『ワンランク上の武』を、まったく使いこなせていない。一言で言えば、酷く浅い」

 『神化』を使う前の彼らの武――『現闘』には、
 『深い積み重ね』を感じた。

 だが、神化して、神闘を使い始めてから、
 急激に、薄っぺらさを感じた。

 数字の暴力が酷すぎたので、
 薄かろうが、浅かろうが、関係なく、
 手も足も出なかったが、
 しかし……

「おそらく、お前らは、数年単位でしか、『その武』の鍛錬を積んでいない。話にならない! 『ソレ』を完全に理解しようと思えば、俺の目算だと、軽く5億年は必要だ」

 両手を広げて、5を表現しながら、

「今のお前らは、浅瀬でパシャパシャ遊んでいるだけの幼稚園児。俺の前に立つ資格はない」

 そう言い捨てると、
 瞬間移動で、ジャクリナの背後を奪い、

「レッスンワン、お前らの視界は狭すぎる。視覚と感覚だけで世界を把握しようだなんて傲慢もいいところ」

 言いながら、ジャクリナの首に、
 美しい首トーンを決めていく。

 そのたった一発で、ジャクリナは、

「……っ……」

 あっさりと気を失って、その場に倒れこむ。

 その一部始終を見ていたアストロギアが、
 渋い顔で、

「……視覚と感覚以外の、ナニで、世界を把握しろと?」

 その質問に対し、センは、黒く笑って、

「知るか、そんなもん。てめぇで考えろ。俺のレッスンは、超感覚派だ。理論は自分で見つけ出せ」

 身もふたもない事を言ってから、
 センは、またしても、瞬間移動を使い、
 アストロギアの背後にまわると、


「レッスンツー、型の反復が、圧倒的に足りてねぇ。『殺し合い』も『勉強やスポーツ』と同じで、数をこなしてナンボの作業ゲー。てめぇらは、その部分の認識が甘すぎる」


 そう言いながら、センは、
 空気投げの要領で、
 ほとんど触れることなく、
 アストロギアを、その場で半回転させて、

「あぁああああっっ!!」

 地面にガツンとたたきつける。
 頭から叩き落されたことで、
 当たり前のように気絶するアストロギア。


 ――ゼノリカの天上に属する、驚異的な超人4人を、
 あっさりと始末してみせたセン。

 センは、アクバートたちを楽勝で瞬殺してみせた自分の両手を、
 ジィっと、感慨深げに見つめて、


「強い……俺は、やはり強かった……俺は、すでに、おそろしく強いのに……まだ、発展途上で、伸び盛り……すげぇ……楽しい……美しい……嬉しい……気持ちいい……」


 ラリったような顔で、
 愉悦の中に沈んでいくセン。


 ――と、その時だった。


「っっっ?!」


 エゲつない気配を感じて、センは震えた。
 一瞬で、冷や汗が、大量に噴き出す。
 全身が痙攣した。
 心が叫びたがっているのを感じる。

(……な、なんだ……このおぞましい寒気は……何かが……何かが近づいてくる……)

 警戒心が極限まで膨らんだところで、
 センの視線の先、
 十メートルも離れていない所に、
 次元の亀裂が入った。


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