センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

87話 1000万オーバーの圧迫感。


 87話 1000万オーバーの圧迫感。

「神化したワシらのMAX存在値は『1000万』を軽くこえている! 貴様に勝てる道理などない!」


「……ぃ、いっせんま……て、てめぇ……なにを、ふざけたこと……」


 反射的に『ハッタリ』をうたがったものの、
 しかし、センの心は、
 『カンツの言葉が、ハッタリではない』と理解できていた。

 『くだらない嘘をついている目』には見えなかったから。
 もっと言うと、カンツという男に対して、
 そういう嘘をつくような印象を抱かなかったから。

 まだ、出会ってから数時間も経過していないが、
 しかし、拳を交わし合ったことで、
 センは、カンツの人間性を、ほんのりと理解していた。

 だから、

(……1000万……ありえねぇ……)

 素直に、その『数字の暴力』に体を震わせた。

 額と背中の激痛に耐えながら、
 センは、心の中で、

(こいつら四人は、オメガ虫よりも、はるかに強い武力をもっている……その上で、数値も、オメガ虫の20倍以上……か、勝てるわけがねぇ)

 『50万級』を『100体同時』に相手できるセンだが、
 しかし、それは、相手を『殺し慣れた虫』に限定した場合。

 オメガ虫は、ハッキリ言って、対処法がハッキリしていた。
 弾幕を避けて、中心を殴れば、それで殺せた。
 ようは、ハメ殺すことができた。

 しかし、当然ながら、アクバートたちにそういう戦法は取れない。
 彼らは、正真正銘、『強い』のだ。

 オメガ虫のように、『壊れた本能』を『暴走させているだけ』のザコとは違い、
 正式に『強者』なのである。

 ――ゆえに、

「ぐほっ! がはっ! げへっ! ごほぉおおお!!」

 センは、ボッコボコにされた。

 ジャクリナとアストロギアの後方支援を受けながら、
 前衛で、カンツを盾に、アクバートを剣に、
 ゼノリカは、センエースをボコボコにしていく。

 質の高い連携。
 スキのないパーティ。

 高次元のスペシャリストたちが、
 美しさを感じるほど『一体』となって、
 センエースを圧殺しにかかる。

 手も足も出せず、いいようにフルボッコにされているセンは、

「くそが、くそが、くそがぁああ! 勝てるか、こんなもん!!」

 ただの悲鳴を叫ぶ。

 極限の戦闘力をフル稼働させているが、
 しかし、出力の差が大きすぎて、
 まったく対処しきれない。

「こ、こんな! こんな数字の暴力は、さすがに反則だろ! なんだ、1000万って! インフレもたいがいにしろ!!」

 不満を大声で叫ぶセン。

 そんなセンを囲んでいるアクバートたちは、
 センほどではないが、
 ずいぶんと渋い顔をして、
 軽く、冷や汗を流しながら、

「文句をいいたいのは、こっちの方だ……なんで……貴様、死なない……」

 大きな疑問符を浮かべていた。

 すでに、アクバートたちは、何度か、
 センに対して『トドメの一撃』を放っている。

 しかし、センは、そんなアクバートたちのフィニッシュを、
 普通に、すべて、耐えきってしまった。

 無効にしているというわけではない。
 大ダメージを受けてはいる。
 だが、しかし、
 まったく、死ぬ気配を見せない。


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