センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
80話 それって、あなたの感想ですよね?
80話 それって、あなたの感想ですよね?
「PSRの隊長は、私が100万人いても、かすり傷一つ負わせることは叶わないであろう超越者の中の超越者。三至すらも跪かせる女神の中の女神。――その上におられるのが神の王。聖典の中心。この上なく尊き命の最果て、センエース神帝陛下」
アクバートの丁寧なゼノリカ講座を聞いたセンは、
かぶせるように、
「ほむほむ。で、そんなお前ら『天上』の『下』には、愚連や楽蓮や百済がいる、と……なるほど、なかなかハンパない組織だ。もし、俺に、超パワーがなければ、そのイカれた層の厚さに対し、普通に絶望していたところ……しかし……」
ニィと笑って、
「今の俺の視点では、『喰いきれるか心配な量の御馳走』と言ったところ。嬉しい悲鳴ってやつさ。『勝てなきゃ誰かの養分。だから勝たなきゃ意味ねぇ』って名言があるが、ここでいうところの養分は完全にお前ら。俺は勝つ。負けるわけがない。俺の強さは、次元の向こう側にいる。お前らが強いのは認めるが……しかし、俺の強さはチート級。負けは、ありえない。主人公は俺だ。俺だけが世界の中心! 俺の前にだけ道ができる! 世界は俺のために存在している! 全ての素粒子が俺に尽くしている! だから、俺は、こんなにも大きい!!」
抑揚のない早口で、
ペラッペラなことを叫ぶセンに対し、
ゼノリカの面々は、冷めたツラをしていた。
カンツが、
「がはは! 虚勢を張っているようにしか聞こえんなぁ!」
そう叫ぶと、
センは、
「好きに思えよ。てめぇらの感想文に興味はねぇ。てめぇらを食い切って、俺は、俺の壁を超える!」
そんなセンの叫びに対し、
アストロギアが、冷めた顔で、
「……一つ聞いていいかな?」
「ああ、好きに聞けよ。聞くだけなら自由さ。俺が答えるかどうかは、また別の次元のお話だが」
「仮に、君が、ゼノリカを食い切ることに成功したとして……その結果、君が、事実として、命の頂点に立ったとして……それで、君は、何を得るんだ?」
「今の俺を置き去りにした俺」
「今の君以上の君になれたとして、それで、『何をしたいのか』を聞いているのだけれど?」
「誰よりも強くなりたい――それが、男の子のロマン。そこに無粋な理由を求めるのは極めてナンセンス! 俺は最強になる! その先は、なってから考える! それでいい! それがいい!」
「――力の数値だけ膨れ上がっても、虚しいだけだと、私なんかは思うけれどねぇ」
「何度も言わせるな、お前らの感想文に興味はねぇ!」
そう叫ぶと、
センは、少しだけ出力を上げて、
アクバートたちに殴り掛かった。
でかいトラックで原付をはね飛ばすような勢いで、
アクバート、アストロギア、という順番で、
ゼノリカの超人たちを、ポンポンとぶっ飛ばしていくセン。
「さあ、残りはテメェ一人だ! カンツなんとか! これが俺の力! 圧倒的な王のパワー! どうだ?! 絶望するだろ?! 震えるだろ?!」
そんなセンの言葉を受けて、
カンツはニィっと力強く笑い、
「そう見えるか?!」
「驚くべきことに、まったく見えねぇ! カンツ、お前は強い!」
「お褒めにあずかり光栄だなぁ! がはははははは!!」
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