センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
9話 300人委員会は、結論を望んでいる。
9話 300人委員会は、結論を望んでいる。
「嫁と子供おるやつがテロリーダーになるかなぁ」
「まあ、一定数いると思いますけどねぇ。もっとも、あの人の場合、実際のテロリーダーではないですが」
などと、どうでもいい会話をしていると、
そこで、紅院のスマホが鳴った。
相手は紅院正義。
ミレーの父親。
「……なに?」
出ると、正義は、挨拶抜きで、
『300人委員会は、結論を望んでいる』
「……?」
『お前から閃壱番に関する諸々の報告を受けて、『高次の欲』が出てきてしまったのだよ。私は気長に待つつもりでいたのだが……300人委員会に所属しているのは、私のように我慢強い人間ばかりではない。どの組織でも、急進派の声は大きくなりがちでね』
「パパ……何を言っているの?」
『みな、報告を待つばかりではなく、目に見える形で、閃壱番を知りたくなった……それだけの話だよ、美麗』
「……」
『もはや、彼らを止めることはできない。私も所詮は、歯車の一つ』
「……」
『正式な命令だ、美麗。お前たちは何もするな。今回の主役は閃壱番だ。……いや、もしかしたら、ずっと、彼が主役だったのかもしれないがね』
「あの、パパ……本当に、何を言っているか、さっぱりわからないのだけれど?」
『……きわめて単純な話だ、美麗。これから先、何があっても、決して動くな。以上だ』
そこで、電話は切れた。
「ちょっ……えぇ……」
困惑する紅院に、
トコが、
「どしたん?」
「よくわからないけれど……300人委員会が閃壱番を知りたがっているから、私たちは動くなって」
「……ん? この訓練で、なんかする気なん?」
「かもね」
「上がしそうなことと言ったら……ホンマもんのテロリストを、何人か混ぜておくとかかな……」
「ありえるわね。上層部の連中は、パパをふくめ、全員、例外なく、頭おかしいから」
「さすがに『殺し』はやらんやろうけど……」
「いや、やると思うにゃぁ。上の連中は、必要と判断したら、なんでもやるクソどもだからにゃぁ」
「……ああ、ま、そうやなぁ……あいつら、なかなかのアホやからなぁ……」
そこで、黒木が、トコの顔を横目に、
「おや? ずいぶんと穏やかな表情ですね。いつもなら、この手の会話の時、歯をむき出しにして怒りをあらわにするのに」
「今まではどうしようもなかったから、キレるしかなかったけど、今は、『ヒーロー』がおるから、『ま、なんとかなるやろ』って思うてしまうんよなぁ」
「閃壱番の存在が、トコの安定剤になっているというわけね」
「そこまで彼に依存して大丈夫ですか?」
「依存させてきたあっちが悪い。あたしはなんにも悪ぅない」
「ジャンキーらしい勝手な言い分ですね。ま、実際のところ、依存させるような行動をとってきた方にも、いくつか問題があるとも思いますが」
呆れ口調でそうつぶやいてから、
「……しかし、そんな様子だと、彼がいなくなったら、大変そうですね。」
「閃がおらん未来は、もはや、想像すらしたくもないなぁ」
「嫁と子供おるやつがテロリーダーになるかなぁ」
「まあ、一定数いると思いますけどねぇ。もっとも、あの人の場合、実際のテロリーダーではないですが」
などと、どうでもいい会話をしていると、
そこで、紅院のスマホが鳴った。
相手は紅院正義。
ミレーの父親。
「……なに?」
出ると、正義は、挨拶抜きで、
『300人委員会は、結論を望んでいる』
「……?」
『お前から閃壱番に関する諸々の報告を受けて、『高次の欲』が出てきてしまったのだよ。私は気長に待つつもりでいたのだが……300人委員会に所属しているのは、私のように我慢強い人間ばかりではない。どの組織でも、急進派の声は大きくなりがちでね』
「パパ……何を言っているの?」
『みな、報告を待つばかりではなく、目に見える形で、閃壱番を知りたくなった……それだけの話だよ、美麗』
「……」
『もはや、彼らを止めることはできない。私も所詮は、歯車の一つ』
「……」
『正式な命令だ、美麗。お前たちは何もするな。今回の主役は閃壱番だ。……いや、もしかしたら、ずっと、彼が主役だったのかもしれないがね』
「あの、パパ……本当に、何を言っているか、さっぱりわからないのだけれど?」
『……きわめて単純な話だ、美麗。これから先、何があっても、決して動くな。以上だ』
そこで、電話は切れた。
「ちょっ……えぇ……」
困惑する紅院に、
トコが、
「どしたん?」
「よくわからないけれど……300人委員会が閃壱番を知りたがっているから、私たちは動くなって」
「……ん? この訓練で、なんかする気なん?」
「かもね」
「上がしそうなことと言ったら……ホンマもんのテロリストを、何人か混ぜておくとかかな……」
「ありえるわね。上層部の連中は、パパをふくめ、全員、例外なく、頭おかしいから」
「さすがに『殺し』はやらんやろうけど……」
「いや、やると思うにゃぁ。上の連中は、必要と判断したら、なんでもやるクソどもだからにゃぁ」
「……ああ、ま、そうやなぁ……あいつら、なかなかのアホやからなぁ……」
そこで、黒木が、トコの顔を横目に、
「おや? ずいぶんと穏やかな表情ですね。いつもなら、この手の会話の時、歯をむき出しにして怒りをあらわにするのに」
「今まではどうしようもなかったから、キレるしかなかったけど、今は、『ヒーロー』がおるから、『ま、なんとかなるやろ』って思うてしまうんよなぁ」
「閃壱番の存在が、トコの安定剤になっているというわけね」
「そこまで彼に依存して大丈夫ですか?」
「依存させてきたあっちが悪い。あたしはなんにも悪ぅない」
「ジャンキーらしい勝手な言い分ですね。ま、実際のところ、依存させるような行動をとってきた方にも、いくつか問題があるとも思いますが」
呆れ口調でそうつぶやいてから、
「……しかし、そんな様子だと、彼がいなくなったら、大変そうですね。」
「閃がおらん未来は、もはや、想像すらしたくもないなぁ」
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