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『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

67話 アドレナリンの暴走。

 67話 アドレナリンの暴走。

 ロイガーは、ただ投げられたのではない。
 体内の気が逆流している。

 恐ろしく高次の体術。
 信じられない神業。

 当然のように、意識が持っていかれた。
 ロイガーの脳が、グラングランと揺れている。

 そこで、
 センは、
 トコに視線を向けて、


「薬宮、お前の携帯ドラゴンを、剣状にして、俺に渡すことは可能か?」


「ふぇ?! ……ぇ……ぇと……え……?」

 『センが、ロイガーを投げ飛ばした』という、
 何が何だかわからない現状に対し、
 絶賛、困惑中のトコは、
 センの言葉が、耳に入らないようで、
 ただただ、

「ぇ……なに……ぇ……どういう……」

 目を丸くしているばかり。
 現状、ロイガーが気絶したことで、
 呪縛の魔法から解放されているのだが、
 そんな事実に気を配る余裕すらない。

 それは、紅院たちも同じだった。

 この場にいる全員、
 センが何をしたか、理解できずに、
 ただただ『?』の渦中で溺れている。

 センは、スゥと息を吸って、

「薬宮ぁ! 携帯ドラゴンを剣にしてよこせ! 出来るのか、出来ないのか!」

 大声を出されて、
 トコは、一瞬、ビクっとする。

 脳まで響く大声のおかげで、
 どうにか、ほんの少しだけ正気を取り戻したトコは、

「……む、むり……あたし以外が使っても、魔力とか、オーラとかは使えん……ただの『よく切れる刃物』としてしか――」

「業物(わざもの)として使えるなら十分だ」

「いや、まったく十分ではないやろ! 相手はS級のGOO! 物理に対しては過剰な耐性がある。それは、さっき戦ってみて、よくわかった! 魔力のない『普通の刃物』では相手にならん!」

「いくら高位の神格といえど、物理に対して無敵ってワケじゃねぇ! そして、魔力は、所詮、サポート要素でしかない! 魔力があったほうが『通りやすい』のは確かだが、エネルギーを正しく運用すれば、『内気(ないき)の鳴動』だけでも、モンスターの外殻をブチ抜くことは可能。俺の技術があれば、なんとかいける! そんな気がする!」

 内容は理路整然としていて、
 実際のところ、言っていることは何も間違っていないのだが、
 しかし、それを口にした当の本人が、一番、
 自分の発言に対して懐疑的だった。

 なぜならば、『脳』を一切通していない『脊髄反射の発言』だったから。

 暴走しているアドレナリンが、血管を過剰収縮させて、
 一時的に、言語中枢を盛大にバグらせた。
 結果、『ウェルニッケ野に障害を抱えている患者』のように、
 認知を伴わない言葉を発してしまった。

 ――と、センは後に自己解釈することになるが、
 実際のところがどうなのかはサッパリ不明。

 現状は、あまりにも『不可解の質量』が錯綜しすぎている。

「俺なら、ただの刃物でも、ロイガーという不可能を殺せる! だから、さっさと、変形させて、よこせっっ!! ごちゃごちゃぬかすな、ためらうなぁああ!!!」

「は、はいっ!」

 強い口調で命じられたことで、
 トコは、反射的に、ヒドラを剣状にして、
 センに向かって投げ飛ばす。

 回転しながら飛んでくる剣を、
 ノールックで、バシっと、片手で受け止めると、
 クルクルっと、手の中で回転させながら、
 感触を確かめつつ、

「ふぅ……」

 その勢いのまま、精神を集中させる。

(生まれてこの方、一度も、剣を握ったことなどないのに……なんで、今、俺は、こんなにも、シックリとした感覚を覚えているんだろうねぇ……あと、俺は、なんで、魔力がどうとか、わかるんだ? もう、いろいろ、さっぱりだ……)

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