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『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

22話 究極超凡人センエース。

 22話 究極超凡人センエース。

「さて、それじゃあ、家を捨てようか。オヤジ、オフクロ悪いな……俺は、あんたらの自慢にはなれなかった」

 そう言いながら、佐田倉は、センに掴みかかった。
 ものすごい力と速度で、センの両手両足を折ろうと、襲い掛かってくる。

 佐田倉の武は、
 普通の高校生だったら、
 確実に対応できないであろう、
 武道の有段者らしい、
 かなりのスピードと切れ味だったが、

 しかし、

(……なんだ? なんで、こんなゆっくり……)

 センの目には、
 酷くモッサリしているようにしか見えなかった。

 不思議な感覚だった。
 実質的に『ゆっくり』に見えているワケではないのだが、
 感覚的には、
 スロー再生でも見ているみたいに、
 すべてが、ハッキリ・クッキリと認識できた。

 だから、
 センは、
 つい、反射的に、

 佐田倉の手首を、自分の右手で、ソっとつかみ、
 残りの左手で、佐田倉の顎にソっと触れ、

「シッ」

 エンピツを持ち上げる程度の軽い力で、
 クンッと、少しだけ、上下に、押し引きをしてみた。

 その結果、

「ぅあぁつっっっっっ!!」

 佐田倉の体が、
 空中で一回転した。

 グルンッッ、

 と、綺麗に円を描く体。
 360度、しっかりと美しく丁寧に『一回転』したものだから、

 ドンッ!!

 と、両足で着地する。

 結果的に、
 センが投げる前と、何も変わらないポジションに収まる佐田倉。

 あまりに早すぎたため、
 取り巻き連中の中でも、
 『ちょうど、まばたきしていた連中』は、
 何が起こったのか一ミリも把握できていない。

 ちゃんと見ていた取り巻きたちも、
 投げの速度が、あまりにも常軌を逸していたため、
 何が起こったのか、理解するのが難しそうだった。

「……ぇ……ぁ……」

 佐田倉自身、
 自分の身に何が起きたのか、
 完全に理解は出来ていなかった。

 武道の経験が長いので、
 『投げられて、一回転して、その場に着地した』ということはわかっている。
 そこまで分かれば、実のところ、十分なのだけれど、
 しかし、本当に知りたいところは、そこではなかった。



「……な、なんだ……お前……なにを……した……どういう……」



 ――佐田倉は、かつて、幾度となく、
 K5の一角『久剣(くつるぎ)一美(かずみ)』と柔道で対戦したことがある。

 日本における武の中枢たる『久剣家』。
 その長い歴史の中でも、
 随一の才能を持つと評されていた一美の強さは、
 それは、それは、尋常ではなく、
 『ガタイがいいだけで特に才能があるわけではなかった佐田倉』は、
 当然のように、一瞬で投げ飛ばされた。

 トコほどではないにしても、比較的小柄な一美が、
 当時、すでに180センチ近かった佐田倉を、
 ポンポンと投げ飛ばす姿は、完全にアニメのソレだった。

『……じゅ、柔道が一番、苦手って話でしたよね。お嬢』
『まあ、武道の中ではね。剣道が一番好きで、柔道が一番苦手。柔道は、なんか合わない。たぶん、才能ないと思う』
『あの……お嬢に才能がないってことになったら、この世に柔道の才能がある人なんて一人もいなくなる気が……』
『何言ってんの。【一那(かずな)姉様】は、天才じゃない』
『……一那様は、こうおっしゃっていましたよ。今のお嬢は、自分が中学生の時の10倍強いって』
『姉様は、自分にも他人にも超絶厳しい人のくせに、私を評価するときだけは、妙に甘くなるからなぁ』
『いや、どう厳しく評価しても、満点を下回ることがあり得ないってだけのような気が……一那様の評価はゴリゴリの正当判断だと思いますよ……お嬢は世紀の大天才です。あなたは武神に愛されている』


 佐田倉は、
 『天才』を知っている。
 『本物の強さ』を知っている。

 しかし、そんな佐田倉でも、
 目の前にいる人間(セン)の『資質』を、
 正確に測ることが出来なかった。


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