センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

47話 ルナティック・オメガ・トランスフォーム。

 47話 ルナティック・オメガ・トランスフォーム。

「こいつは、いい技だな。名前はダサいが」

「……ダサくなかったら意味がねぇ」

 そう言いながら、
 センは、グっと顎をあげて、

「そんなことより……お前、さっき、俺の異次元砲をどうした?」

「当たったらウザそうだったから消した」

「消したのは見たら分かる。どうやったかを聞いている」

「知らん。昔から、なんかできた」

「……」

「……『何億年単位で毎日、ずっと壁にぶつかり続けると、いつか、壁を抜けることもなくはない』みたいな話を聞いたことがないか?」

「トンネル効果だろ……それが?」

「つまりは、それだ」

「はぁ?」

「そんな露骨なハテナ顔をされても、俺にはもう、これ以上の説明は出来ない。ちなみに、さっきのは、あくまでも例であって、オメガバスティオンの正式な説明ってワケじゃねぇ。ぶっちゃけた話、マジで、俺もよくわかんねぇんだよ」

 そう言いながら、
 オメガは、自分の両手を見つめて、

「サッパリわかんねぇ……が、けれど、間違いなく、これが、俺の『可能性』。俺が背負ってきたものは、お前のソレと比べれば、きっと、ちっぽけで安っぽい。けれど……」

 体積だけで見れば、さほど大きくもない、その両手を、
 オメガはギュと握りしめて、

「……絶対に譲れないもの……必死になって守ってきたもの……」

 オーラが底上げされていく。
 質量が増していく。

「俺の『可能性』を超えろ、センエース。出来ないなら――『託さない』――」

「……」

 無言のまま、
 センは、ゆっくりと、

「すぅ……はぁ……」

 呼吸を整えていく。
 魂が均一化されていく。
 心電図が冷静になる。

 まっすぐに、まっすぐに、
 ブレないよう注意しながら、
 前を見る。

 オメガを見る。

「……『託されたい』なんて思ったことは一度もないし、今だって、一ミリたりとも思っちゃいないが……」

 そう前を置いてから、
 丁寧な一拍を置いて、


「……まあ、でも……」


 そうつぶやくと、
 結論を述べるよりもはやく、
 自分の核に気合を入れる。

 グンと深く、
 シンと穏やかに、



「――『究極超神化6』――」



 宣言すると同時、
 破格に荘厳な光に包まれるセン。

 フォルムは、スピリットプラチナ・フォルテシモ。
 全部で五つあるスタイルの中でも、特に汎用性の高い姿。

 その姿を見たオメガは、

「……大きいな」

 本音をこぼす。
 オメガの目に映るセンは、
 間違いなく大きい。

「しかし、究極超神化6か……なぜ、究極超神化7を使わない?」

「今のところ、その必要性を感じない」

「ふぅん……あ、そう」

 そう言いながら、
 オメガは、
 コキコキっと首をまわしてから、

「じゃあ、これならどうだ?」

 そう前を置いてから、
 天を仰ぎ、

「――ルナティック・オメガ・トランスフォーム、モード-『センエース』――」

 ひどく簡素に、
 切り札を切っていくオメガ。

 扱いは雑でも、スペックは破格。

 おぞましいほどに、
 オメガの核が膨らんだ。


「これが、お前の『可能性』をモチーフにした究極のトランスフォーム。モード-センエース。俺の切り札。――今の俺が、間違いなく、俺史上最強」


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