センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

45話 オメガ・トランスフォーム。

 45話 オメガ・トランスフォーム。

「きゅいっ」

 オメガに呼び出された『手乗りサイズのドラゴン』は、
 パタパタと小さな翼をはためかせ、ゆっくりと飛び上がり、

 オメガの頭の上にポスンと着地すると、
 子猫のように、クルンと小さく丸くなって、
 スースーと寝息をたてはじめた。


「おいおい……ウチの携帯ドラゴン、なんで、そんなナチュラルかつ完璧に俺を裏切ってんだ?」


「お前よりも、俺の方がいい男だからだろう」

「モブ感が強いお前よりも、俺の方が、キャラ力は上だと思うがねぇ」

「センエース。お前はアレだな。『キャラが立っていればいいってわけじゃない』っていう『いい見本』だな」

「……」

「……」

 無意味な皮肉を言い合ってから、
 『数秒の重たい無言』を経て、
 オメガは、

「ルナ! 起きろ!」

 命じると、
 頭の上で寝ているルナが、

「っ、きゅいっ!」

 パっと、飛び起きる。
 軽くアクビをはさみながらも、
 腕を伸ばすストレッチをしつつ、戦闘準備を整える。

「遊びは無しだ。最初からフルスロットルで行くぞ! ――オメガ・トランスフォーム! モード・アウターゴッド/レベル1000!」

 宣言した瞬間、ルナが強く発光し、細かな粒子へと崩壊していく。
 輝きは拡散し、収束して、気付いた時には、余す事なく、その全てが、オメガの体を包みこんでいた。

 ほんの一秒弱で、オメガの体は、白銀のオーラを放つ龍化外骨格で包まれていた。

 顔の部分だけが出ている兜の額には、ブレードアンテナのような下弦の月。
 月光の淡い輝きをモチーフとした究極の一品。

 ――そんな美しい鎧をまとうオメガの姿を見て、

「エグいな……」

 センは、素直な感想をこぼす。

「伝わってくる……お前が積み重ねてきたもの……その重さ……」

 冷や汗が流れた。
 恐怖は感じていない。
 しかし、畏怖は覚えた。

「……積み重ねてきた覚悟だけで言えば、俺こそがブッチギリで最強だと、どこかでうぬぼれていたが……お前には……勝っているかどうか微妙だな……」

「お前の方が上だよ、センエース。積み重ねてきた覚悟だけで言えば、俺もそれなりに自信があるが……しかし、お前には勝てる気がしない。俺は俺のことで精一杯だった。しかし、お前は『全部』を背負ってきた」

 そう言いながら、
 オメガは、自分のオーラを、さらに高めていく。

「魔皇ドライブ起動。両腕リミッター、解除。カオスインフィニッター接続」

 オメガを包む魔力とオーラが膨れ上がる。
 リミッターを解除した瞬間、両腕部分がガチャガチャっと変形していき、より混沌としたフォルムへと変身する。
 そして、両腕に接続された、身の丈ほどもある巨大なガトリングガンブレイド。
 膨大なカオスシェルを撃ちだせる殺戮兵器『カオスインフィニッター』の二丁装備。

「ホロウユニバース‐システム発動。ナイトメア・ユニット、オープン。我が身を守れ、マキシマイズ・ドリームオーラ」

 あらゆる攻撃の貫通値を数倍に跳ねあげるシステムを発動させ、
 飛行制御性能を爆発的に上昇させるユニットを広げ、
 ほとんど無敵になれる防御壁を展開させる。

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