センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
33話 本物じゃなくても、届く世界はあった。
33話 本物じゃなくても、届く世界はあった。俺の存在がその証拠だ。資質の点だけで言えば、俺はお前よりも劣っている。けれど、どんな地獄を前にしても、諦めずに、勇気を叫び続けた。だから、俺はここにいる。
苦々しい顔で、
センの武に目を奪われながら、
(これが……『本物』の……強さか……)
心の中で、そうつぶやきつつ、
闇雲に、ただただ拳を繰り出し続けるクリミア。
(ふざけやがって……畜生……畜生……畜生……)
世界に対する文句が止まらない。
「ふざけんなぁあああ! ド畜生ぉおお! なんでテメェは本物で! 俺はそうじゃないんだぁああああああああ! 俺だって……俺だってぇええええっっ!」
暴れる。
無様に。
(――くそったれ! くそったれ! くそったれぇえええ!)
クリミアの頭の中に、
ガキの頃の記憶がよみがえる。
『頑張れば本物になれる』と思い込んでいた時期が、
クリミアにもあった。
しかし、『彼女』の『才(差異)』を目の当たりにして、
クリミアが『望んだ未来』は死んだ。
『――クリミア兄さまぁ、大丈夫だよぉ。あなたは頑張っていると思うよぉ。たぶん。知らんけどぉ』
世界最強格の支配者『完全院リライト』を戦慄させた少女。
次元違いの才能を持つ罪帝家の最高傑作。
『私と比べたら、全員等しく無能なんだから、私に負けたからって、落ち込む必要はないんだよぉ。わかったぁ? 兄さまぁ』
この世には『絶対的格差』があることを思い知った。
命は、本物とゴミに分かれると理解できた。
きわめて単純な話。
罪帝ヒミコは本物で、
罪帝クリミアはゴミだった。
「理不尽! 理不尽! 理不尽! 私をニセモノ扱いする、この世界は不条理の極み!」
叫びながら、クリミアは、拳を振り回す。
「キライだぁ! こんな世界! なくなってしまえ! 私をシカトする不愉快な地獄! 私を選ばない世界などいらない!! 全員、死ねぇえええ! 苦しんで死ねぇええええ!」
クリミアのソレは、もはや、武ではなかった。
ただ、膨れ上がった感情に身を任せて暴れているだけ。
ようするには、かんしゃくを起こしているだけ。
『何もできない子供』が、『世界の広さ』に飲み込まれている。
それが、現状の全て。
――そんな『くだらない今』の底にいる『クリミア』の額に、
センは、親指ではじいた人差し指を当てる。
「ぶあっ!」
軽く痛みを感じる程度のデコピン。
ダメージには届かない。
そんな衝撃。
――センは、タメ息まじりに、
「…………なあ、まだやる?」
ダルそうに、
「もしかして、まだ、マジで、わからない? 俺とお前の差。強いとか、弱いとか、そういうことじゃない、根源的な差」
クリミアは思う。
『あまりに理不尽なモノ言いじゃないか』と。
動きを止めたら『休むな』とビンタされ、
動き続けたら『まだやる?』と小バカにされる。
「お前は、だから、ダメなんだよ。まだ、お前は、本物とかニセモノとか、そんな話ができる領域にいない。それすらわかっていない。根本の気概がなっちゃいない」
何を言われても、
『徹底的にけなしてきやがる』
としか思わないクリミア。
『理解する気』がない相手の前だと、
どんな『メッセージ』も意味を見失う。
だから、クリミアは、悔しさのあまり、
自分の唇をブチブチに噛みしめながら、
「ああああああ!」
怒りのまま、地面を何度も殴りつつ、
「ちょっと強いからといって……いい気になるな……クズがぁ……」
なんの意味もない『思考放棄した負け惜しみ』を吐き捨てる。
苦々しい顔で、
センの武に目を奪われながら、
(これが……『本物』の……強さか……)
心の中で、そうつぶやきつつ、
闇雲に、ただただ拳を繰り出し続けるクリミア。
(ふざけやがって……畜生……畜生……畜生……)
世界に対する文句が止まらない。
「ふざけんなぁあああ! ド畜生ぉおお! なんでテメェは本物で! 俺はそうじゃないんだぁああああああああ! 俺だって……俺だってぇええええっっ!」
暴れる。
無様に。
(――くそったれ! くそったれ! くそったれぇえええ!)
クリミアの頭の中に、
ガキの頃の記憶がよみがえる。
『頑張れば本物になれる』と思い込んでいた時期が、
クリミアにもあった。
しかし、『彼女』の『才(差異)』を目の当たりにして、
クリミアが『望んだ未来』は死んだ。
『――クリミア兄さまぁ、大丈夫だよぉ。あなたは頑張っていると思うよぉ。たぶん。知らんけどぉ』
世界最強格の支配者『完全院リライト』を戦慄させた少女。
次元違いの才能を持つ罪帝家の最高傑作。
『私と比べたら、全員等しく無能なんだから、私に負けたからって、落ち込む必要はないんだよぉ。わかったぁ? 兄さまぁ』
この世には『絶対的格差』があることを思い知った。
命は、本物とゴミに分かれると理解できた。
きわめて単純な話。
罪帝ヒミコは本物で、
罪帝クリミアはゴミだった。
「理不尽! 理不尽! 理不尽! 私をニセモノ扱いする、この世界は不条理の極み!」
叫びながら、クリミアは、拳を振り回す。
「キライだぁ! こんな世界! なくなってしまえ! 私をシカトする不愉快な地獄! 私を選ばない世界などいらない!! 全員、死ねぇえええ! 苦しんで死ねぇええええ!」
クリミアのソレは、もはや、武ではなかった。
ただ、膨れ上がった感情に身を任せて暴れているだけ。
ようするには、かんしゃくを起こしているだけ。
『何もできない子供』が、『世界の広さ』に飲み込まれている。
それが、現状の全て。
――そんな『くだらない今』の底にいる『クリミア』の額に、
センは、親指ではじいた人差し指を当てる。
「ぶあっ!」
軽く痛みを感じる程度のデコピン。
ダメージには届かない。
そんな衝撃。
――センは、タメ息まじりに、
「…………なあ、まだやる?」
ダルそうに、
「もしかして、まだ、マジで、わからない? 俺とお前の差。強いとか、弱いとか、そういうことじゃない、根源的な差」
クリミアは思う。
『あまりに理不尽なモノ言いじゃないか』と。
動きを止めたら『休むな』とビンタされ、
動き続けたら『まだやる?』と小バカにされる。
「お前は、だから、ダメなんだよ。まだ、お前は、本物とかニセモノとか、そんな話ができる領域にいない。それすらわかっていない。根本の気概がなっちゃいない」
何を言われても、
『徹底的にけなしてきやがる』
としか思わないクリミア。
『理解する気』がない相手の前だと、
どんな『メッセージ』も意味を見失う。
だから、クリミアは、悔しさのあまり、
自分の唇をブチブチに噛みしめながら、
「ああああああ!」
怒りのまま、地面を何度も殴りつつ、
「ちょっと強いからといって……いい気になるな……クズがぁ……」
なんの意味もない『思考放棄した負け惜しみ』を吐き捨てる。
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