センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

26話 反省などしない。

 26話 反省などしない。

「ぅ……ぅぐ……ぅぅ……ぁっ……」

 うめき声をあげるクリミア。
 ズタボロだが、
 しかし、

 ――目は死んでいなかった。

「おお、やるな。普通のクズは、だいたい一周で灰になるんだが……お前、それなりに根性はあるみたいだな」


「ぅぅ……ふ……ふざけやがって……バケモノめ……」

 クリミアは、
 かすれた声で、
 しかし、胆力だけは込めて、

「てめぇ……上位コスモゾーン・レリックの化身だな……こんなバカげたマネが出来る存在など……それ以外にありえない……」

 自身に可能な範囲の推測でセンを捉えるクリミア。

 歯を食いしばりながら、

「領域外のバケモノが……ひ、人の命をもてあそびやがって……貴様らは……いつだって、そうだ……」

 そんなことを口にするクリミアに、
 センは、とうとうと、

「――『命をもてあそびやがって』……ねぇ。どの口が言っているんだ、と言いたいところだけど、まあ、いいや。お前に説教する気はないし、お前の勘違いを、いちいち、丁寧に正すつもりもない。俺は、そこまで出来た人間じゃない」

 などと、雑な言葉を投げかけつつ、

「……さて、それでは、二周目にいこうか。ちなみに、二周目からはゲストを呼ぼうと思っている」

 そう言いながら、センは、
 一枚の紙を具現化する。

 それは、先ほど、ミシャからもらったデータの一枚。

 センは、その紙に、再度目を通しながら、

「……胸糞悪い話だぜ、ほんと」

 小さく、そうつぶやきながら、
 その紙を、荘厳な炎で燃やす。

 紙は、数秒で灰になる。

 地に落ちた灰は、
 チラチラと揺らめいて、淡い光を放っている。

 その光は、やがて、結集して、いつしか、
 実体のないユラユラしている影をつくりだした。
 その影は、黒い涙を流しながら、罪帝を睨んでいる。

「お前に、家族を皆殺しにされ、性奴隷として弄ばれ、最後にはボロ雑巾のように殺された『匿名希望Aさん』の『思念』だ。『お前が、真剣に許しを請うた場合は、手を止めろ』という命令を下しているが、お前が心から許しを請わない限り、Aさんは、だいぶ自由だ。出来ないことは、お前を殺すことぐらい。ちなみに、ブラッディソウルゲートの中限定の話だが、思念体は、俺の攻撃系能力のいくつかが使える。さて、お前は、どこまで耐えられるかな」

 そう言いながら、
 センがまた、パチンと指を鳴らすと、

「あっ、あぁああっ!」

 また、まがまがしい腕が、クリミアを引きずり込む。

 その腕を追いかけるように、
 匿名希望Aさんの思念は、扉の向こうへと向かう。

 扉が閉まると、同時、


「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!」


 先ほどよりも、激しい悲鳴が聞こえてきた。

 中で何が行われているか、
 少しだけ知覚しているセンは、
 ドン引きした顔で、


「さすが、怨みがハンパないな。いっさい、容赦がない……」


 ――また、10秒ほど経過したところで、扉が開き、
 ペっと吐き捨てられるクリミア。

 それに追従する匿名希望Aさんの思念。
 まだまだ、やりたりないという表情で、
 かたく両手を握りしめている。

 二度の地獄を経験したことで、
 クリミアの老化はさらに進んだが、

 しかし、まだ目は死んでいない。
 その理由はしごく単純。


「な、なめんじゃねぇぞ……あと一回……たえてやる。……私は……決して……反省など……しない! カスをカス扱いして何がわるい!」



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