センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
15話 ポンコツ、ニョグタ。
15話 ポンコツ、ニョグタ。
カンツ・ソーヨーソは、
『ゾメガのエニグマミーティアをその身に受けても、立っていられる自信がある』
という不遜な自惚れを抱いている。
――しかし、そんなカンツの膝を、
マリスは、たった一発の拳で、へし折ってみせた。
「……ディマイズ・マリス……お前の『信仰』は認めよう。存在しない神を認める、ということは、さすがに出来ないが……お前の想いは認めてやる……」
マリスの拳を、
カンツは認めた。
――カンツの『意地』は『己(おの)が言い分を守るため』に存在するのではない。
『最後の最後まで、悪の敵として、弱い命の盾で在り続ける』
という、断固たる決意の結晶。
そこにギャグ要素は一つもない。
――しかし、センエースの『主人公補正(影響力)』は、
そんな決意すら飲み込んでしまうほどに大きい。
「なぜ、そこまで神を信じるようになったのか知らんが……とにかく、すさまじい狂信ぶりだ。おそれいる」
その言葉の直後、
マリスの『奥』にいるニョグタが、
「――なるほど、貴様こそがセンエースだったのか。カンツほどの超越者をも一撃で屈服させてしまうとは……見事だ。さすがは、命の王と言ったところか」
「……だから、違うと言っているのに!」
そんなマリスの否定を、
「認めよう。センエースよ。貴様は美しい」
ニョグタは、完璧にシカトして、
「私はニョグタ。コスモゾーン・レリックのニョグタ。この私に、大いなる可能性を示したバケモノよ……」
そこで、ニョグタのオーラが、
マリスの奥底で淡く瞬いて、
「――強者は華。堅陣な魂魄は土――」
ゆらゆらと、
光が強くなって、
「――審判のアリア・ギアス発動――」
宣言の直後、
ニョグタの圧力がグっと深くなった。
――鮮やかな虹色。
研ぎ澄まされた、狂気の虹色。
狂気の虹色は、重たい粒子となって具現化する。
『クナイ』の形状になったニョグタは、
マリスの右手におさまる。
「もはや、審判は下された。テストは不要。貴様は私にふさわしい。貴様こそが、私のパートナー。共に、外なる神を目指す運命共同体」
「……お前のような『勘違いバカ』は、私にふさわしくないけどな」
冷めた声で、マリスは、ボソっとそう言いながら、
自分の手の中にあるクナイの具合をチェックする。
「……インテリジェンスの部分には、多大な問題点があるが……アイテムとしてのスペックは、事実、とてつもなく凄まじい。パートナーになる気はないが、悪くない装備品として使いつぶしてやる」
などと会話している間、
アルキントゥが、カンツに回復魔法をかけながら、
「マリスの閃拳……あれほどの輝きを目の当たりにしていながら、しかし、いまだ、わずかも主を信じようとはしない『あなたの、その頑なさ』には、もはや、むしろ、畏敬すら感じますわ」
そんな、深みのある呆れに染まった言葉に対し、
カンツは、
「なんだ、アルキントゥ、お前もか。いったい、いつのまに、狂信者にクラスチェンジしていた?」
「主が、その尊き輝きで、P型を屈服させてからですわ。あの日までは、わたくしも、主を信じておりませんでした。しかし、主は……美しかった。あれほどの輝きを、わたくしは、他に知らない」
カンツ・ソーヨーソは、
『ゾメガのエニグマミーティアをその身に受けても、立っていられる自信がある』
という不遜な自惚れを抱いている。
――しかし、そんなカンツの膝を、
マリスは、たった一発の拳で、へし折ってみせた。
「……ディマイズ・マリス……お前の『信仰』は認めよう。存在しない神を認める、ということは、さすがに出来ないが……お前の想いは認めてやる……」
マリスの拳を、
カンツは認めた。
――カンツの『意地』は『己(おの)が言い分を守るため』に存在するのではない。
『最後の最後まで、悪の敵として、弱い命の盾で在り続ける』
という、断固たる決意の結晶。
そこにギャグ要素は一つもない。
――しかし、センエースの『主人公補正(影響力)』は、
そんな決意すら飲み込んでしまうほどに大きい。
「なぜ、そこまで神を信じるようになったのか知らんが……とにかく、すさまじい狂信ぶりだ。おそれいる」
その言葉の直後、
マリスの『奥』にいるニョグタが、
「――なるほど、貴様こそがセンエースだったのか。カンツほどの超越者をも一撃で屈服させてしまうとは……見事だ。さすがは、命の王と言ったところか」
「……だから、違うと言っているのに!」
そんなマリスの否定を、
「認めよう。センエースよ。貴様は美しい」
ニョグタは、完璧にシカトして、
「私はニョグタ。コスモゾーン・レリックのニョグタ。この私に、大いなる可能性を示したバケモノよ……」
そこで、ニョグタのオーラが、
マリスの奥底で淡く瞬いて、
「――強者は華。堅陣な魂魄は土――」
ゆらゆらと、
光が強くなって、
「――審判のアリア・ギアス発動――」
宣言の直後、
ニョグタの圧力がグっと深くなった。
――鮮やかな虹色。
研ぎ澄まされた、狂気の虹色。
狂気の虹色は、重たい粒子となって具現化する。
『クナイ』の形状になったニョグタは、
マリスの右手におさまる。
「もはや、審判は下された。テストは不要。貴様は私にふさわしい。貴様こそが、私のパートナー。共に、外なる神を目指す運命共同体」
「……お前のような『勘違いバカ』は、私にふさわしくないけどな」
冷めた声で、マリスは、ボソっとそう言いながら、
自分の手の中にあるクナイの具合をチェックする。
「……インテリジェンスの部分には、多大な問題点があるが……アイテムとしてのスペックは、事実、とてつもなく凄まじい。パートナーになる気はないが、悪くない装備品として使いつぶしてやる」
などと会話している間、
アルキントゥが、カンツに回復魔法をかけながら、
「マリスの閃拳……あれほどの輝きを目の当たりにしていながら、しかし、いまだ、わずかも主を信じようとはしない『あなたの、その頑なさ』には、もはや、むしろ、畏敬すら感じますわ」
そんな、深みのある呆れに染まった言葉に対し、
カンツは、
「なんだ、アルキントゥ、お前もか。いったい、いつのまに、狂信者にクラスチェンジしていた?」
「主が、その尊き輝きで、P型を屈服させてからですわ。あの日までは、わたくしも、主を信じておりませんでした。しかし、主は……美しかった。あれほどの輝きを、わたくしは、他に知らない」
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