センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

6話 ヘイヘイ!

 6話 ヘイヘイ!

「あだだだだだだだっっ!!」

「がはははっ! もっと歌え! 泣き叫べ! がぁーはっはははぁあああ!」

 うたうように、踊るように、
 カンツは、数えきれない弾丸を、
 バカみたいに撃ち続ける。

(ちょ、ちょっと待て……なんだ、この強さ……し、信じられん威力……無数に放ってくる銃弾の一つ一つに、膨大な魔力が込められている……っ)

 理解が追い付かず混乱するニョグタ。
 暴風のような猛攻から、
 どうにか抜け出そうともがくも、
 しかし、

(粗雑な猛攻に見えて、実のところ、驚くほど精緻な弾幕……に、逃げ場がない……っ)

 わずかな抵抗も出来ず、
 穴だらけで吹っ飛ぶニョグタ。
 そんなニョグタの頭を掴むカンツ。

「つーかーまーえたぁっ!! がははははぁ!!」

 地面に思いっきりたたきつけ、
 右足で、ニョグタの胸部をズガンと踏みつけると、
 カンツは、ニョグタの頭部に二つの銃口を突き付けて、

「――がぁはははははははははははははははっっっ!!」

 ラリったように笑いながら、
 無限の弾丸を叩き込んでいく。
 リロードの休憩などなく、
 ひたすらに、
 ただひたすらに、
 魔力の弾幕を、
 ニョグタの頭に注ぎ込む。

「ばばばばばばっ! ぼはっ! ぐぁ!!」

 息継ぐ間も与えてくれない速攻。
 ニョグタは、

「――え、『影潜(えいせん)ランク25』っ!!」

 忍専用の魔法を使用して、
 世界の影に潜む。

 しかし、

「おっと、逃げないでねぇ!! がはははは!」

 カンツは、『世界の影』に手を突っ込んで、
 ちょっとしたキノコでも採集するようなノリで、
 ニョグタを引っこ抜くと、

「まだまだ、ワシの時間はおわらないぃ♪ がははははははぁ!!」

 無数の弾丸を、

「ばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばっ!!」

 さらに、休みなく、
 これでもかと、注ぎ込む。

 凶悪な暴力の芸術。
 そんな中で、
 カンツは、テンション高く、

「どうした、神様! ヘイヘイ、神様! 貴様が『すげぇ神様』だってんなら、反撃の一つでもしてみてくれや! こっちはいつでも、ウェルカムだぜ、がはははははははは!」

 終わらない弾幕の中で、
 ニョグタは、

「ぐぅぬぅうっっ!! み、醜い猿がぁああ!!」

 全身にオーラと魔力を充満させて、



「神の裁きを受けるがいい!! 異次元砲ぉお!!」



 極大魔法で暴れていくが、
 しかし、
 カンツは、

「おおっ、痛いねぇ! がはははは!」
 
 見た目ボロボロにはなっているものの、しかし、ケロっとしていた。
 元気一杯で、ただただ豪快に笑っている。

「いやはや、ほんとに、すっっっさまじい異次元砲だったぜぇ! 天下のタンク系上位でも、一撃で死ぬこと間違いなしの究極的な一撃だったなぁ! がははははっ!」

 『ニョグタの異次元砲を受けていながら死んでいない』という、
 その単純な事実にも、当然心底から驚かされたが、
 なによりも、ニョグタを驚かせたのは、

「――っっ?!」

 その『ボロボロだった姿』が、
 とくに魔法を使ったというワケでも何でもないのに、
 『ほんの数秒』が経過しただけで、

 何事もなかったかのような、
 『完全に無傷の状態』に戻ってしまったということ。


「――ば、ばかな……ど、どういう……」

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