センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

2話 暴走機関車。

 2話 暴走機関車。

「かすり傷など、ダメージの内に入らん! もっと、気合の入った攻撃をしてみろ! かゆくもないぞぉお! がはははははぁ!!」

 圧倒的な自動回復力。
 信じられない耐性値。

 ゼノリカが誇る、
 最強クラスのタンク兼アタッカー。

 ――カンツの特急暴走のおかげで、ほんのわずかな時間で、
 最下層付近までやってきたカンツ・アルキントゥ・マリスの三人。

 ほとんど、すべてのモンスターが、
 カンツ一人の手でボコボコにされた。

 マリスとアルキントゥは、
 カンツの暴走でも『ギリギリ死ななかった敵』の後処理をしつつ、
 後ろからカンツにバフをかけるという、
 簡単なお仕事に従事していた。

 別に『最初からこうする予定』だったわけではないが、
 『テンションが上がってしまったカンツ』には、
 基本的に、何を言っても無駄なので、
 『もういいや、任せよう』という流れになって、
 今に至っている。

「おっと、こいつは驚いた。神級のアンデッドか……」

 最下層に到着したカンツたちを待っていたのは、
 不死種の神級モンスター『死羅腑(しらふ)』。
 ドクロ顔にボロボロの黒いローブと、
 いかにも死神然としたモンスターで、
 禍々しいオーラを放っている。
 存在値は500前後と、別格に高い。

 死羅腑は、自分のテリトリーを犯した敵に対し、
 容赦なく、『死の波動』を放つ。
 高水準の『即死』をつきつける、
 かなり厄介なスキル。

 ほかにも、無数の魔法を放ち、
 カンツたちを撃退しようとするが、

「ん? なにかやったか?」

 カンツには一切通用しなかった。
 魔法は確実に直撃しているし、
 スキルの効果範囲にもバッチリ収まっているのだが、
 しかし、
 カンツは、

「ワシを殺したかったら、『三至』級を二人連れてこい! 言っておくが、それでも、ワシを殺せるかどうかは微妙だぞぉお!」

 叫びながら、
 『なんの策もない特攻』をかまし、
 死羅腑の顔面に豪快な右ストレートを入れると、

「おらおらおらぁああ!」

 続けざま、爆裂の連打をおみまいする。

 その流れの中で、

「ん? 小生意気に、ドリームオーラを張りやがったな? しかし、物理特化のシールドにカスタムするとは愚か、愚かぁ! がはははは! 貴様、ワシを物理型だと勘違いしたな? マヌケめ。ワシはな……銃も肉弾戦も得意だが、魔法も大得意なんだよぉお!」

 叫びながら、
 カンツは、右手に魔力を込めて、

「異次元砲ぉおおおお!!」

 バカ火力の異次元砲を放った。
 本人の性格は粗雑だが、
 しかし、魔力の扱い方は繊細そのもの。

 凶悪に優れたマナ変換率。
 ゼノリカ上位の魔力系特化の中でも、
 なかなかいない、きわめて高スペックな魔法適正。

 すべてにおいて、高スペックな天才。
 それが、カンツ・ソーヨーシ。

「がはは! ぬるすぎて、話にならんな!」

 あっさりと神級モンスターを瞬殺してみせたカンツ。
 結局、今のところ、ノーダメージ。

 死羅腑の魔法攻撃は、非常に強力で、
 当然、ダメージを受けたのだが、
 驚異の自動回復力で、すでに、完璧に全快している。

「厳しいダンジョンだと聞いていたが……そして、実際に、ハンパではないモンスターが無数に出てくるが、しかし、しょせんは、ワシ一人でも十分な難易度だったな。がはははははは!」


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