センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
63話 アプソロさん。
63話 アプソロさん。
――あの後、チャバスチャンは、
振り返ることなく、
木々の間を、
枝から枝へと、
駆け抜ける。
ある程度、ロコたちから距離を取ったところで、
「……ふぅ」
アモンが追ってきていないのを確認しつつ、
近くの大木にもたれかかって、一息つく。
――と、そこで、
正面から、
「……よう、おつかれ」
だらだらと歩いて近づいてくる『ジンベイ姿の男』を発見する。
無精ヒゲとグラサンが特徴的な、
『まるでダメなおっさん』感が強い30代の男。
「おや、アプソロさん……来ていたのですか?」
「あたりまえだろうが。俺が約束を破るわけがないだろう。ナメんなよ」
「……」
チャバスチャンは、何か言いたそうな顔をしたものの、
グっと言葉を飲み込んで、
「ちなみに、オージーさんは?」
「知らん。どっかで殺されてんじゃねぇの? あいつ、弱いからなぁ」
「……オージーさんを殺せるのは、五大家の人間ぐらいですけどね。クリムゾンスターズの精鋭が相手でも、逃げるくらいはできるでしょうから」
と、軽く呆れた言葉を前に置いてから、
「オージーのことなんか、どうでもいい。そんなことより、チャバスチャン。お前、酷いな。あんな、ガキにボコボコにされて。恥ずかしくないのか?」
「さほど恥ずかしくはないですね。私は、『強さ』に興味がないもので」
「つまんねぇ答えだな、おい。煽り甲斐がなさすぎる。そういうところだぞ、チャバスチャン。その辺、もう少し、考えねぇと、いいイジられキャラにはなれねぇぞ」
「イジられキャラなんかになるくらいだったら、死を選びますよ」
「……で? 実際のところ、どうだったんだ? 手を抜いていただけか? それとも、ガチで押されていたのか?」
「押されていたとか、そういうレベルじゃないですね。あの子供は、おそろしく強い。ハッキリ言って、彼の強さは、ザコーさんやブラツクーロさんよりも上です」
「んなわけねぇだろ。ザコーよりも強いヤツなんか、そうそういねぇって」
「私もそう思っていました。だから、驚いてしまって、つい、脱兎のごとく逃げ出してしまったというわけです」
「……おい、ボケが長いぞ。ヤマトじゃあるまいし、ラリったボケを長々と続けるんじゃねぇ」
「……アプソロさん。一つ聞かせていただきたいのですが、あなたは、あの少年の武に対して、どういう感想を持ったのですか?」
「ガキの割には動けるなぁ、と思ったが、馬力が足りてねぇから、脅威ではねぇ。以上」
「あー、なるほど……まあ、確かに、外から見ている分には、そういう風に映ってもおかしくないかもですね。『芯』の部分は、触れてみなければ、わかりませんし。それに、アプソロさんは、人間性だけではなく、人を見る目も終わっていますし」
「死にたいようだな。よし、かかってこい」
「死にたくないので、やめておきます」
「だったら、最初から、カマしてくるんじゃねぇ、ヘタレがぁ!」
と、一度、強めに怒鳴りつけてから、
「……あのガキ、そんなに強かったのか? 確かに、基礎はしっかりしていそうだったが……とくに『それ以上のヤベェ感じ』はしなかったんだが」
――あの後、チャバスチャンは、
振り返ることなく、
木々の間を、
枝から枝へと、
駆け抜ける。
ある程度、ロコたちから距離を取ったところで、
「……ふぅ」
アモンが追ってきていないのを確認しつつ、
近くの大木にもたれかかって、一息つく。
――と、そこで、
正面から、
「……よう、おつかれ」
だらだらと歩いて近づいてくる『ジンベイ姿の男』を発見する。
無精ヒゲとグラサンが特徴的な、
『まるでダメなおっさん』感が強い30代の男。
「おや、アプソロさん……来ていたのですか?」
「あたりまえだろうが。俺が約束を破るわけがないだろう。ナメんなよ」
「……」
チャバスチャンは、何か言いたそうな顔をしたものの、
グっと言葉を飲み込んで、
「ちなみに、オージーさんは?」
「知らん。どっかで殺されてんじゃねぇの? あいつ、弱いからなぁ」
「……オージーさんを殺せるのは、五大家の人間ぐらいですけどね。クリムゾンスターズの精鋭が相手でも、逃げるくらいはできるでしょうから」
と、軽く呆れた言葉を前に置いてから、
「オージーのことなんか、どうでもいい。そんなことより、チャバスチャン。お前、酷いな。あんな、ガキにボコボコにされて。恥ずかしくないのか?」
「さほど恥ずかしくはないですね。私は、『強さ』に興味がないもので」
「つまんねぇ答えだな、おい。煽り甲斐がなさすぎる。そういうところだぞ、チャバスチャン。その辺、もう少し、考えねぇと、いいイジられキャラにはなれねぇぞ」
「イジられキャラなんかになるくらいだったら、死を選びますよ」
「……で? 実際のところ、どうだったんだ? 手を抜いていただけか? それとも、ガチで押されていたのか?」
「押されていたとか、そういうレベルじゃないですね。あの子供は、おそろしく強い。ハッキリ言って、彼の強さは、ザコーさんやブラツクーロさんよりも上です」
「んなわけねぇだろ。ザコーよりも強いヤツなんか、そうそういねぇって」
「私もそう思っていました。だから、驚いてしまって、つい、脱兎のごとく逃げ出してしまったというわけです」
「……おい、ボケが長いぞ。ヤマトじゃあるまいし、ラリったボケを長々と続けるんじゃねぇ」
「……アプソロさん。一つ聞かせていただきたいのですが、あなたは、あの少年の武に対して、どういう感想を持ったのですか?」
「ガキの割には動けるなぁ、と思ったが、馬力が足りてねぇから、脅威ではねぇ。以上」
「あー、なるほど……まあ、確かに、外から見ている分には、そういう風に映ってもおかしくないかもですね。『芯』の部分は、触れてみなければ、わかりませんし。それに、アプソロさんは、人間性だけではなく、人を見る目も終わっていますし」
「死にたいようだな。よし、かかってこい」
「死にたくないので、やめておきます」
「だったら、最初から、カマしてくるんじゃねぇ、ヘタレがぁ!」
と、一度、強めに怒鳴りつけてから、
「……あのガキ、そんなに強かったのか? 確かに、基礎はしっかりしていそうだったが……とくに『それ以上のヤベェ感じ』はしなかったんだが」
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
755
-
-
29
-
-
39
-
-
63
-
-
63
-
-
0
-
-
3395
-
-
1265
-
-
44
コメント