センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

25話 危険度は『C+』。

 25話 危険度は『C+』。

 『ロコがアモンを抑えている間に、
  IR3を高速で処理する』
 ――それがゲンのプラン。

 『後衛型の、しかも自分の【主人】を、肉壁に使う』という、
 主従関係に対する反骨精神がハンパない少年。
 それがゲン・フォース。

(右ストレートでぶっとばす。まっすぐいってぶっとばす)

 『脳筋全開』の勢いで、
 ゲンは、
 IR3に踏み込んでいく。

 全力でオーラをぶち込んだ右手を、

「――幻拳――」

 思いっきり突き出すと、

「――っ?!」

 IR3の体が霞のように消えた。

 と、思った直後、


「――速度はかなりのモノ。けれど、動きが直線的だから、反応できないほどではない。危険度は『C+』と判定。装備を変更する」


 採点しつつ、
 IR3は、アイテムボックスから、
 『明らかに氷属性が付与されているっぽい双剣』を取り出し、

「破格に機敏だけれど、猛獣の暴走を彷彿とさせるムーブ。ハッキリ言って、諸々スキだらけ。氷結属性で、スピードに制限をかけていけば容易に対処可能と推測。戦闘プランを確定。――ヒットアンドアウェイでジックリ削る――」

 そう宣言してから、
 しっかりと実行にうつすIR3。

 ゲンの特攻を軽やかに回避して、
 細かなスキをチクチクとついてくる。


(クソが……俺の全部を的確に処理しやがって……モンハンのモンスター側になった気分だぜ)


 ゲンとIR3が闘っている間、
 その向こうで、
 ロコとアモンも、激闘を繰り広げていた。

「龍毒ランク18!!」

「おっと」

 ロコの毒魔法を、
 ギリギリのところで回避しつつ、
 距離をつめ、


「豪魔拳ランク15」


 強力な拳を叩き込もうとして、
 しかし、

「魔毒壁ランク17!!」

 鬱陶しい毒バリアを張られてしまい、
 途中で、

「――ちっ」

 拳を引っ込めるアモン。

(めちゃめちゃ偏差値高い毒だな……『毒の使い手』は、これまでの人生で、死ぬほど見てきたけど……これだけ、高品質の毒を扱う術者には、あまり会ったことがない)

 百済だけではなく、楽連にも、
 毒をメインにしている者は少なくない。

 毒ビルドは、ある程度マスターすれば『格上』が相手でも、
 一矢報いることができる、非常に有用な手段。

 下手をすれば、自分の毒に、自分がやられる、
 というケースもあるので、お手軽戦術ではないが。

(……毒の質だけで言えば、百済のインディゴ級……いや、バイオレット級かも……)


 ちなみに、百済の階級は以下の通り。

 インフラレッド(最弱)。
 レッド。
 オレンジ。
 イエロー。
 グリーン。
 ブルー。
 インディゴ。
 バイオレット。
 ウルトラバイオレット(最強)。


 ――アモンは、いったん息をつこうと、足に力を籠める。
 安全な距離を確保してから、

(エゲつないほど高品質な毒を扱える資質……そんな『自身の強み』を徹底的に活かすカウンター毒ビルド。無駄を省いた、合理的構築。……なかなか、美しいね……)

 状態異常の耐性値は、人それぞれ。
 混乱が効きにくい者、
 マヒが効きやすい者、
 さまざま。

 アモンの『状態異常耐性』が、どうかというと、
 『毒に対する耐性』は、さほど高い方ではない。

 『弱点』というわけではないが、
 毒に強いわけでもない。

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