センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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14話 無敵のゲンナイト。

 14話 無敵のゲンナイト。

 アモンは、

「鬱陶しいんだよ、死んでろぉお!!」

 アイテムボックスから、
 投擲(とうてき)用の短剣を取り出すと、
 ゲンナイトの眉間めがけて、思いっきり投げつける。


 ――完全に眉間を貫いたと思ったが、
 しかし、


「……はっ?! なぜ、死なない?!」


「残念、ゲンナイトは無敵だ。タンクも支援も火力も任せられて、なおかつ完全無敵という、頼れる召喚獣。それが俺のゲンナイト」

「そんな召喚獣がいてたまるか!」

(まあ、本当のところは、たまたま『死の無形』が発動しただけなんだけどな……あのスペシャルの発動率は、結構な低確率なんだけど、いやぁ、いいところで発動してくれたなぁ……おかげで、踏み込んだハッタリをきかせられる)

 などと、心の中で、舌を出しつつ、
 表面上は、真剣な面持ちで、

「しかし、それが事実だ。さあ、大変だな、少年。ここまでで、すでに、かなり戦力差が開いてしまったわけだが、けれど、お前の絶望は、この程度じゃ終わらない」

 そう言うと、ゲンは、
 アイテムボックスから、ラムドカードを取り出して、

「――ゲンナイト2、召喚」

 二体目のゲンナイトを召喚する。

「っ?!」

 驚愕するアモンに、
 ゲンは、

「ゲンナイト2は、ゲンナイトの二倍の能力を持つ」

「はっ?!」

(まあ、実際のところは、『2』ってついているだけで、ほぼ同じスペックなんだけど……)

 と、またもや、心の中で舌を出しながら、
 アモンに対して、指を二本立てつつ、

「俺のゲンナイトは、末尾の数字が増えるたびに、スペックが倍増していく。そんなゲンナイトナンバーズを、俺は、あと二枚残している。その意味がわかるな?」

「……」

(まあ、実際には、同じスペックのゲンナイトが、あと一枚残っているだけなんだけどね。とりあえず、積めそうなハッタリは、全部、もれなく積ませてもらうぜぇ、はっはっはぁ)

 『ピリリと小粒のスパイスを効かせたハッタリ』を積んで、
 アモンの心を摘みにいくゲン。

 アモンが、

(……きわめてハッタリくさいが……事実である可能性もゼロではない……もし、事実だとすると、ゲン・フォースの戦力は、『ゲン自身+【倒し方がわからない高性能な召喚獣】×4』ということに……それは、さすがに、鬱陶しいな……)

 苦い顔で、舌打ちをはさみつつ、

(本気を出せば、もちろん、楽勝だけれど……)

 正直なところ、『全力』を出せば、
 対処できない『面倒くささ』ではない。

 アモンが、後先考えず、フルで自分を解放させれば、
 『ゲンのハッタリが全て事実だった』としても、
 どうにか勝利することは可能。

 まあ、実際のところ、『楽勝』は言い過ぎだが、
 『ダメージを抑えて勝利すること』は可能。

(今回のミッションは、『ゲンの討伐』ではなく、『学園への潜入捜査』……無意味に『僕の全力』という情報を与える必要はない……)

 あくまでも、ゼノリカという組織を秘匿にした上での内偵。
 影に隠れながらの斥侯。

 もちろん、『Sクラス』に潜入する以上、
 ある程度の実力は見せておく必要があるが、
 『必要以上の力』を見せびらかすのは愚の骨頂。

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