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1話 試験官ゲン・フォース。

 1話 試験官ゲン・フォース。

 ――あっという間の一年だった。
 などと、ゲンは、学校生活を振り返りながら、
 目の前に集まっている数百人の『受験生』を見渡す。

 緊張した面持ちで、
 試験開始の時間を待っている受験生たち。

 そんな彼・彼女らから視線を外し、
 スマホで時間を確認する。
 デジタル時計が『9:00』を示したのを確認すると、

「それでは、これから試験を始める。試験内容は極めて単純。俺と戦って勝てば、文句なく合格。俺に勝てなくとも、俺が合格と言えば合格。以上だ。試験に関して質問があるなら受け付けよう。もちろん、時間は無限じゃないから、制限はもうける。そうだな……3人までにしよう。さあ、質問がある者は手をあげろ。ああ、ちなみに、俺は、ご覧の通りの小さなガキだが、間違いなく試験官だ。お前らがSクラスに入れるかどうかは俺次第。そのことを絶対に忘れるな。ようするに、言動には注意するように」

 今回の試験内容は、去年と違い、
 わずかも事前告知されていないので、
 誰もが、困惑している。

 そんな中、
 まったく緊張した面持ちをしていない、
 『腕に自信のありそう』な『屈強な体躯の男』が、


「お前を殺してしまった場合はどうなる?」


 『質問があるなら手をあげろ』と言われているにも関わらず、
 そんなことは無視して、
 粗雑な態度で、自分の聞きたいことだけを口にする。

 『その態度』に対して、
 『明確にイラっとした態度を見せるゲン』は、
 ゴミを見る目で、
 『屈強な男』を睨みつけ、


「この世で最も愚かな質問の一つだな」


 そう言い捨ててやった。

 すると、当然、

「あぁ?」

 屈強な男が眉間にしわをよせて怒りをむき出しにしてきた。
 その態度に気をよくしたかのように、
 ゲンは『くくっ』とイタズラな笑顔を向けてから、
 あえて、飄々(ひょうひょう)とした表情で、

「気にするな。言ってみたかっただけ。いわゆる、ひとつのテンプレってやつだ」

 からかうような口調でそう言ってから、

「本音を言えば、試験内容を正確に理解しようとしている、非常にいい質問だと思う。だから、一応、答えてやる。ただ、次からは、『手を上げてないやつの質問』は100%無視する」

 と、前を置いてから、

「自己紹介が遅れたが、俺は全宮学園Sクラス2年生ゲン・フォース。全宮ロコ様が誇る剣を目指す者。いずれ、世界最強になる者。ようするに、お前らごときに殺されることはありえない」

「たいそうなことをほざくガキだな。最強を夢見るのは勝手だが、俺の前では、あまり、大きな事を口にしない方がいい。というか、そもそも、お前のような出来の悪そうなガキが、五大家の剣になどなれるわけがないだろう。俺は生意気なガキが嫌いなんだ。イライラさせるな。後悔したくなければ、分をわきまえろ」

「そっくりそのままお返ししよう。ガタイだけのカスが粋がるな。俺がその気になったら、お前なんざ、仮に100万人単位で分裂したとしても、7秒以内に全員殺(や)れる」

「……くく……そこまで豪快に粋がれるのは、ある意味ですごいな」

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