センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
83話 俺には分かる! なんでか知らんけど!
83話 俺には分かる! なんでか知らんけど!
「もう降参しただろう! 君の方が強いと認めた! 謝罪もした! これ以上、何が欲しい! 死人にムチを打つのはやめろ!」
「まずは『死人じゃない』ってことに気づけ。それが『ステップワン』だ」
「君のようなガキにあっさりと超えられた。それが僕の現実だ。君の方が強く、僕は君よりも格下。それでいいだろう。何が不満なんだ!」
「不満なんざ、死ぬほどあるさ。今は、快調に階段を駆け上がっているが、どうせ、すぐにまた壁に襲われる。俺の人生は、いつもそうだ。颯爽とスマートに駆け上がるってことができねぇ。いつだって、泥臭く、地獄のカマの底を這いずり回るしか道がねぇ。だからこそ、確変フィーバー状態の今に、俺は全力でしがみつく。あんたとの闘いは、まだまだ俺を開く可能性がある。だから終わらせない。あんたを使いつぶして、俺は次の壁に備える」
「君こそ気づけ。才能があるから、壁を超えられるんだ。僕は何をしても超えられなかった。どれだけ努力を積んでも、僕は壁を壊せなかった。壁を壊すことが出来るのは、本物天才だけ。僕には出来ない! やらずに喚(わめ)いているんじゃない! やって出来なかった! これ以上の結論が必要か?! いらないだろう!」
「……『どれだけ努力を積んでも』って……あんた、壁と向き合って、今年で何年目だ? 50年目か? 100年目か?」
「ぼ、僕は15歳だっ」
「ああ、知っているよ。あんたは、まだまだ若い『女の子』だ。となれば、どうせ、壁にぶつかって、2年、3年ってところだろ? あるいはもっと短いか?」
「……」
「ナメんなよ、ケムス。才能どうこうは、最低、100年もがいてからほざきやがれ」
「……じ、自分は五年しか生きていないくせにっ」
「現状の実数値的には、な……けど、なんだろうな……気持ち的には、だいぶ長い時間を積んできた気がする……それこそ、100年単位の時間を積んだような、そんな気がしてならない今日この頃」
「気がしているだけの分際で、偉そうな口をたたくな」
「道理だな。『気がしている』だけじゃ話にならねぇ。そんなことは俺もわかっている。『実』がない概念に意味はねぇ。いや、『実のない概念』にも『意味がある時』はあるんだろうが、しかし、今の俺は、それを求めてねぇ」
迂遠な言葉使いで、
けれど、的確に、
状況を整理しつつ、
「あんたは『俺の器』に『剣』を注いでくれた。心から感謝をしている。だから、礼をしようと思う。あんたの器に、俺の剣を注いでやるよ」
ギアを一つあげる。
テンポが増した。
リズミカルに、
艶やかに、
剣の舞を魅せつける。
「今から俺は、あんたに魅せるためだけの剣をふるう。全力で教えてやるよ。あんたの壁には、もうヒビが入っている。俺には分かる! なんでか知らんけどな!」
その言葉は、ギャグじゃない。
『なぜわかるのか』。
その疑問に対する答えを、
ゲンは有していない
――ちなみに、ネタバレをすると、その理由は、
バンプティが99回ほど『銀のカギ』を使ったから。
ゲンは、これまでに、99回、ケムスと戦っている。
ループする世界の中、
何度も、何度も、ゲンはケムスと戦ってきた。
記憶には残っていなくとも、
魂魄の奥には刻まれていた。
――だから、届いた。
「もう降参しただろう! 君の方が強いと認めた! 謝罪もした! これ以上、何が欲しい! 死人にムチを打つのはやめろ!」
「まずは『死人じゃない』ってことに気づけ。それが『ステップワン』だ」
「君のようなガキにあっさりと超えられた。それが僕の現実だ。君の方が強く、僕は君よりも格下。それでいいだろう。何が不満なんだ!」
「不満なんざ、死ぬほどあるさ。今は、快調に階段を駆け上がっているが、どうせ、すぐにまた壁に襲われる。俺の人生は、いつもそうだ。颯爽とスマートに駆け上がるってことができねぇ。いつだって、泥臭く、地獄のカマの底を這いずり回るしか道がねぇ。だからこそ、確変フィーバー状態の今に、俺は全力でしがみつく。あんたとの闘いは、まだまだ俺を開く可能性がある。だから終わらせない。あんたを使いつぶして、俺は次の壁に備える」
「君こそ気づけ。才能があるから、壁を超えられるんだ。僕は何をしても超えられなかった。どれだけ努力を積んでも、僕は壁を壊せなかった。壁を壊すことが出来るのは、本物天才だけ。僕には出来ない! やらずに喚(わめ)いているんじゃない! やって出来なかった! これ以上の結論が必要か?! いらないだろう!」
「……『どれだけ努力を積んでも』って……あんた、壁と向き合って、今年で何年目だ? 50年目か? 100年目か?」
「ぼ、僕は15歳だっ」
「ああ、知っているよ。あんたは、まだまだ若い『女の子』だ。となれば、どうせ、壁にぶつかって、2年、3年ってところだろ? あるいはもっと短いか?」
「……」
「ナメんなよ、ケムス。才能どうこうは、最低、100年もがいてからほざきやがれ」
「……じ、自分は五年しか生きていないくせにっ」
「現状の実数値的には、な……けど、なんだろうな……気持ち的には、だいぶ長い時間を積んできた気がする……それこそ、100年単位の時間を積んだような、そんな気がしてならない今日この頃」
「気がしているだけの分際で、偉そうな口をたたくな」
「道理だな。『気がしている』だけじゃ話にならねぇ。そんなことは俺もわかっている。『実』がない概念に意味はねぇ。いや、『実のない概念』にも『意味がある時』はあるんだろうが、しかし、今の俺は、それを求めてねぇ」
迂遠な言葉使いで、
けれど、的確に、
状況を整理しつつ、
「あんたは『俺の器』に『剣』を注いでくれた。心から感謝をしている。だから、礼をしようと思う。あんたの器に、俺の剣を注いでやるよ」
ギアを一つあげる。
テンポが増した。
リズミカルに、
艶やかに、
剣の舞を魅せつける。
「今から俺は、あんたに魅せるためだけの剣をふるう。全力で教えてやるよ。あんたの壁には、もうヒビが入っている。俺には分かる! なんでか知らんけどな!」
その言葉は、ギャグじゃない。
『なぜわかるのか』。
その疑問に対する答えを、
ゲンは有していない
――ちなみに、ネタバレをすると、その理由は、
バンプティが99回ほど『銀のカギ』を使ったから。
ゲンは、これまでに、99回、ケムスと戦っている。
ループする世界の中、
何度も、何度も、ゲンはケムスと戦ってきた。
記憶には残っていなくとも、
魂魄の奥には刻まれていた。
――だから、届いた。
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